唐津南高校 虹ノ松原プロジェクトチーム

松葉ペレット

松葉ペレット

虹ノ松原内に1年間に堆積する枯れ松葉の量を知っていますか?じつは年間約1000tもの松葉が枯れ落ちているのです。好ましい松原の環境は「白砂清松」と言われ、松は痩せた土壌を好みます。

枯れ松葉をそのままにしておくと、土壌が肥えてしまい松の生育に悪影響をおよぼすのです。

そこで私達は清掃活動で出た松葉を回収し、有効資源として利用するために、木質バイオマスとしてボイラーやストーブ燃料などに使用し熱エネルギーを生産する『エネルギー利用』と、マルチや肥料として利用する『マテリアル利用』に取り組んでいます。

松葉ペレットは、虹ノ松原の清掃時に回収された松葉を適当な大きさに揃え、ペレタイザーで粉砕し、円柱状に圧縮したものです。 このペレットの熱量試験を昨年度実施したところ、熱量平均値は4,620kcal/kgとなり、灯油の約半分の熱量を持つ事が分かりました。

またボイラーやストーブなどの化石燃料の代替品としてペレットを使用した場合、ペレットストーブは灯油 ストーブの約4分の1の量である 18g / MJ の二酸化炭素を排出しますが、カーボンニュートラルの考え方から二酸化炭素の発生量はゼロとカウントされます。

松葉ペレットはキャンプ場やBBQ、ストーブなどの燃料としても活用でき、SDGsの問題を解決することにも貢献できます。

pellet

また、農作物の栽培において、雑草繁殖抑制や地温調整、乾燥防止に用いられるマルチの代替品としての使用を研究しています。

対照実験の結果、雑草繁殖抑制については、ペレット使用区ではマルチ使用区と変わらずほとんど雑草は繁殖しませんでした。また、地温調整については農作物における最適地温は約24℃であり、夏のマルチ使用区は35℃を超える高い地温になりましたが、ペレット使用区は約24℃と最適でした。以上のことから、ペレットをマルチの代替品として使用することは可能であると言えます。

今年度唐津市内にあるネギ農家と連携し生育検査を行ったところ、従来農家が使用していた区画と大差なく生育が確認され、肥料を使わずペレットを使用し商品として販売することが可能だと考えました。農業の分野として活用することもできます。これらの研究結果これからも地域を巻き込んで活動していきたいと思います。