ビーチクリーン、海洋プラスチック問題

呼子 里海プロジェクト

呼子の里海とビーチクリーンの様子

呼子の里海を守る学び ─ 呼子小学校から海青中学校へ

佐賀県唐津市・呼子エリアでは、子どもたちが中心となって 「呼子の里海」を守るビーチクリーンや海洋教育に取り組んでいます。

呼子小学校で始まったビーチクリーンやペットボトルキャップのアップサイクルは、 その後、海青中学校でのPrecious Plasticワークショップへとつながり、 同じ子どもたちの学びが、小学校から中学校へ連続して続いています。

このページでは、呼子の海を舞台にしたビーチクリーンと、 「里海」としての呼子の海を未来へつなぐ子どもたちのストーリーを、 コンパクトにご紹介します。

呼子小学校のビーチクリーンの様子
呼子小学校の子どもたちが主体となって行うビーチクリーン

呼子小学校の里海ビーチクリーン

呼子小学校では、子どもたちが自分たちで企画し、 呼子町キャランコビーチでのビーチクリーンを継続して行っています。 ある年は5年生が、翌年は3年生や5年生が引き継ぎ、 「自分たちの呼子の海は自分たちで守る」という想いを形にしてきました。

呼子小学校3年生が海洋教育サミットで発表
サガン鳥栖のマスコット・ウィントス君
サガン鳥栖のマスコット・ウィントス君

活動には、呼子の保育園児や保護者、地域の方々も参加。 サガン鳥栖のマスコット・ウィントス君が駆けつけてくれた年もあり、 世代や立場をこえて、呼子の里海を守る輪が広がっています。

砂浜の海洋プラスチック
砂浜の海洋プラスチック

砂浜にはペットボトルや発泡スチロールなどの大きなごみに加え、 マイクロプラスチックやナードル(樹脂ペレット)も多く見つかります。 子どもたちは、実際に手で拾い集めるなかで、 海洋プラスチック問題を「教科書の中の話」ではなく、 「自分たちの里海の課題」として捉えるようになっていきました。

呼子小学校5年生ビーチクリーン 小友海岸 キャランコビーチ 2023/10/6
呼子小学校5年生ビーチクリーン 小友海岸 キャランコビーチ 2024/1/19
呼子小学校3年生のビーチクリーンアップ キャランコビーチ 2024/10/24
呼子小学校3年生ビーチクリーン活動を開催 2025/1/17
呼子小学校5年生ビーチクリーン活動を開催 2025/11/17

ペットボトルキャップをアップサイクルしたフラワーポット
ペットボトルキャップから生まれ変わったフラワーポット 呼子小学校6年生卒業制作
ペットボトルキャップをアップサイクルしたフラワーポット
ペットボトルキャップから生まれ変わったフラワーポット 呼子小学校6年生卒業制作

ペットボトルキャップのアップサイクル、プラスチック資源循環

呼子小学校では、ビーチクリーンとあわせて、 ペットボトルキャップを使ったアップサイクルにも取り組んでいます。 子どもたちが家庭や地域から集めたキャップを洗浄・色分けし、 フラワーポットやキーホルダーなどの小物へと生まれ変わらせています。

ペットボトルキャップをアップサイクルしたフラワーポット
ペットボトルキャップから生まれ変わったフラワーポット 
ペットボトルキャップをアップサイクルしたフラワーポット
ペットボトルキャップから生まれ変わったフラワーポット 3年生の親子レク

3年生の親子レクでは、キャップをアップサイクルしたフラワーポットに多肉植物を植え、 「ごみになるはずだったものが、新しい“育てる楽しみ”に変わる」体験を共有しました。

また、ビーチクリーンの参加者へのプレゼントとして、 イカやクジラをモチーフにしたキーホルダーを手づくりした学年もありました。

こうしたアップサイクルの取り組みは、 単なる工作活動ではなく、循環型社会(サーキュラーエコノミー)を 里海の現場でわかりやすく体験する環境教育になっています。

呼子小学校の卒業生の皆さんへ ― 2年間の海洋教育をともに歩んで 2025/3/18
呼子小学校3年生と親子でフラワーポットづくりを実施しました 2025/2/21

海青中学校でのPrecious Plasticワークショップ
海青中学校1年生を対象にしたPrecious Plasticワークショップ

海青中学校へ続く学び ─ Precious Plasticワークショップ

呼子小学校で里海ビーチクリーンやアップサイクルを経験した子どもたちは、 中学校に進学したあと、海青中学校でも学びを深めています。

海青中学校でのPrecious Plasticワークショップ
松原のキーホルダー

海青中学校1年生を対象に実施した Precious Plasticワークショップでは、 生徒たちが自分たちで回収したペットボトルキャップを素材に、 射出成形機を使ってオリジナルのキーホルダーを制作しました。 モチーフは、唐津の海や松原、生き物など「自分たちの地域らしさ」。

海青中学校でのPrecious Plasticワークショップ
海青中学校1年生を対象にしたPrecious Plasticワークショップ

この学年には、呼子小学校時代からビーチクリーンや 里海づくりに取り組んできた子どもたちも多く、 小学校での実践がそのまま中学校のESDプログラムへ自然につながっています。

呼子の海での経験が、海青中学校の「海洋教育」「サーキュラーエコノミー」の授業の土台になっている形です。

キャランコビーチと呼子の里海
キャランコビーチ ─ 森・川・里・海がつながる呼子の“里海”

呼子の「里海づくり」とこれから

呼子の海は、漁業や観光を通じて人の暮らしと深く結びついてきた場所です。 いま、この海を「里海」として未来に残していくために、 ビーチクリーンやアップサイクル、海洋教育など、 子どもたちと地域が一緒になった小さな実践が積み重ねられています。

キャランコビーチと呼子の里海
キャランコビーチ ─ 森・川・里・海がつながる呼子の“里海”

里海づくりは、海をきれいにするだけではありません。 森・川・里・海をひとつながりの環境として捉え、 そこに暮らす人と生きものの関係を見直しながら、 持続可能なかたちで「利用」と「保全」を両立させていく取り組みです。

キャランコビーチと呼子の里海
キャランコビーチ ─ 森・川・里・海がつながる呼子の“里海”

呼子小学校のビーチクリーンやアップサイクル、 海青中学校でのPrecious Plastic ワークショップは、 まさにその入口となる実践です。 自分たちの呼子の里海を誇りに思い、 次の世代へつないでいこうとする子どもたちの姿そのものが、 呼子の未来をかたちづくっています。

NPO法人 唐津Farm&Foodは、今後も学校・地域・行政と連携しながら、 呼子の里海ビーチクリーンや海洋教育、アップサイクルの取り組みを通じて、 ネイチャーポジティブで持続可能な地域づくりを進めていきます。