生物多様性の状態と30by30を、数字で並べる
1970年から2020年までに、観測された野生動物の個体群の大きさは平均73%小さくなりました(WWF・ZSL「Living Planet Report 2024」)。約100万種が絶滅の危機にあり、生物多様性を損なう要因を弱める対策をとらなければ、その多くは数十年以内に絶滅するとされています(IPBES、2019年)。陸と海の30%を2030年までに保全する目標(30by30)に対し、2026年10月の世界の保護地域とOECMは陸域18.69%、海洋10.04%です(Protected Planet)。このページは、生物多様性の状態と30by30の進み具合を、国際機関・国・県の資料の数字で並べたものです。
このページは、NPO法人唐津Farm&FoodがKaratsu Data Bankの一つとして作成しました。当法人は佐賀県唐津市で、自然共生サイトの保全、プラスチックの資源循環、環境教育に取り組んでいます。結論や評価の言葉は付けず、資料に書かれている数字と文だけを並べています。絶滅危惧種は数だけを載せ、種名は書いていません。日本の保護地域と自然共生サイトのくわしい数字はCOP17にむけた生物多様性のデータにまとめています。
| 区分 | 個体群の大きさの変化(1970〜2020年、平均) |
|---|---|
| 世界(全体) | −73% |
| 淡水 | −85% |
| 陸域 | −69% |
| 海洋 | −56% |
| 中南米・カリブ | −95% |
| アフリカ | −76% |
| アジア太平洋 | −60% |
| 北米 | −39% |
| 欧州・中央アジア | −35% |
野生動物の個体群(Living Planet Index)
WWFとロンドン動物学会(ZSL)の「Living Planet Report 2024」によると、1970年から2020年までに、観測された野生動物の個体群の大きさは平均で73%減少しました。対象は約35,000の個体群・5,495種の両生類・鳥類・魚類・哺乳類・爬虫類です(Living Planet Report 2024)。
生態系別では淡水が85%、陸域が69%、海洋が56%の減少でした。地域別では中南米・カリブが95%で最も大きく、アフリカ76%、アジア太平洋60%、北米39%、欧州・中央アジア35%です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 人間の活動で大きく改変された陸地 | 75% |
| 累積的な影響が増えている海洋 | 66% |
| 失われた湿地(面積) | 85%超 |
| 絶滅の危機にある種 | 約100万種 |
陸・海・湿地の改変と、絶滅の危機(IPBES 2019)
生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)の地球規模評価(2019年)は、陸地の75%が人間の活動で大きく改変され、海洋の66%で累積的な影響が増えており、湿地の85%超(面積)が失われたとしています。推定約800万種の動植物のうち約100万種が絶滅の危機にあり、生物多様性を損なう要因を弱める対策をとらなければ、その多くは数十年以内に絶滅するとされています(IPBES)。
| リスト | 値 | 時点 |
|---|---|---|
| IUCNレッドリストで評価された種 | 175,909種 | Version 2026-1 |
| IUCNレッドリストの絶滅のおそれのある種 | 49,500種超 | Version 2026-1 |
| 環境省レッドリストの絶滅危惧種 | 3,587種 | 2026年3月末 |
| 第5次レッドリスト(植物・菌類の5分類群)の掲載種 | 2,952種 | 2025年3月 |
| うち絶滅危惧種 | 2,063種 | 2025年3月 |
| 第5次レッドリストの絶滅危惧種(鳥類) | 108種 | 2026年3月 |
| 第5次レッドリストの絶滅危惧種(爬虫類・両生類) | 96種 | 2026年3月 |
レッドリスト(IUCN・環境省)
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Version 2026-1)では、175,909種が評価され、絶滅のおそれのある種は49,500種を超えています(IUCN)。
日本では、環境省のレッドリストに載る絶滅危惧種は3,587種です(2026年3月末時点、令和8年版 環境白書)。2025年3月の第5次レッドリスト(植物・菌類)は5分類群で2,952種を掲載し、うち絶滅危惧種は2,063種でした。第4次の2,270種から207種減っており、環境省は評価基準の変更などのためとしています(環境省)。第5次の鳥類の絶滅危惧種は108種、爬虫類・両生類は96種です。
| 分類群(評価対象) | 絶滅または絶滅のおそれ |
|---|---|
| 哺乳類 | 39% |
| 鳥類 | 22% |
| 爬虫類 | 57% |
| 両生類 | 88% |
| 汽水・淡水魚類 | 61% |
| 維管束植物 | 31% |
日本の生物多様性の総合評価(JBO3)
環境省の「生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021(JBO3)」は、日本の生物多様性と生態系サービスが過去50年間、長期的に損失・劣化の傾向にあるとしています。第4次レッドリスト(第5回改訂版)では、評価対象の両生類の88%、汽水・淡水魚類の61%、爬虫類の57%、哺乳類の39%、維管束植物の31%、鳥類の22%が絶滅または絶滅のおそれがあるとされました。海洋生物のレッドリスト(2017年)では、絶滅危惧種と準絶滅危惧種で200種以上が選ばれています(環境省 JBO3)。
| カテゴリー | 種数 |
|---|---|
| 絶滅 | 54 |
| 絶滅危惧Ⅰ類 | 316 |
| 絶滅危惧Ⅱ類 | 235 |
| 準絶滅危惧 | 232 |
| 情報不足 | 89 |
| 絶滅のおそれのある地域個体群 | 5 |
| 合計 | 931 |
佐賀県のレッドリスト
佐賀県のレッドリストには、2023年8月現在で931種が載っています。絶滅が54種、絶滅危惧Ⅰ類が316種、Ⅱ類が235種、準絶滅危惧が232種、情報不足が89種、絶滅のおそれのある地域個体群が5です(佐賀県)。
分類群別では、種子植物が441種、昆虫・クモ類が203種、貝類・甲殻類ほかが64種、鳥類が58種、汽水・淡水魚類が47種などです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 定着した外来種(世界) | 37,000種超 |
| うち侵略的外来種 | 3,500種超 |
| 侵略的外来種による経済的損失(2019年) | 年4,230億ドル超 |
| 記録された動植物の絶滅のうち、外来種が主要因の一つだったもの | 60% |
| 同じく、外来種が唯一の要因だったもの | 16% |
| 日本の特定外来生物(2026年3月時点) | 162種類 |
外来種(IPBES 2023・特定外来生物)
IPBESの侵略的外来種の評価(2023年)によると、世界で定着した外来種は37,000種を超え、そのうち3,500種超が侵略的外来種です。侵略的外来種による経済的損失は2019年に年4,230億ドルを超え、1970年以降10年ごとに少なくとも4倍になっています。記録された動植物の絶滅の60%で外来種が主要因の一つ、16%で唯一の要因でした(IPBES)。
日本で外来生物法の特定外来生物に指定されているのは、2026年3月時点で162種類(7科・14属・4種群・127種・10交雑種)です(令和8年版 環境白書)。
| 項目 | 陸域 | 海洋 |
|---|---|---|
| 保護地域とOECM(2026年10月) | 18.69% | 10.04% |
| 保護地域のみ(2026年10月) | 17.58% | 9.82% |
| Protected Planet Report 2024(データは2024年8月時点) | 17.6% | 8.44% |
30by30 の世界の進み具合
30by30は、2030年までに陸と内水、沿岸と海のそれぞれ30%以上を保全する目標で、昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)のターゲット3です(生物多様性条約事務局)。数えるのは、国立公園などの保護地域と、保護地域以外で生物多様性の保全に役立っている場所(OECM)です。
国連環境計画世界自然保護モニタリングセンター(UNEP-WCMC)とIUCNが運営するProtected Planetの2026年10月の世界統計では、保護地域とOECMをあわせて陸域の18.69%、海洋の10.04%です。保護地域だけでは陸域17.58%、海洋9.82%でした。海洋のうち国の管轄海域では23.32%、公海では1.66%です。世界の保護地域は506,250、OECMは7,749(陸7,510・海239)で、OECMを登録している国・地域は18です(Protected Planet 世界統計、2026年10月の更新情報)。
2024年8月時点のデータをまとめた「Protected Planet Report 2024」では、陸域17.6%、海域8.44%、OECMは6,464で、陸で30%を超えた国・地域は51、海で30%を超えたのは31でした(Protected Planet Report 2024)。
| 国 | 陸域 | 海域 | 参考:国別報告書の値 |
|---|---|---|---|
| ドイツ | 39.21% | 45.33% | - |
| 日本 | 29.92%(保護地域のみ29.75%) | 13.79% | 陸20.3%・海8.3% |
| フランス | 28.84% | 49.27% | 陸29.5%・海22.91% |
| 英国 | 28.63% | 46.76% | 陸28.0%・海24.0% |
| オーストラリア | 24.69% | 45.99% | 陸16.25%・海36.2% |
| イタリア | 21.54% | 10.97% | 陸21.0%・海19.1% |
| 韓国 | 18.53% | 2.59% | 陸11.57%・海1.4% |
| 中国 | 15.62% | 4.82% | 陸14.86% |
| カナダ | 13.89% | 15.56% | 陸10.5%・海7.7% |
| 米国 | 12.95% | 19.02% | - |
30by30 の国別比較
Protected Planetの国別ページで、10か国の保護地域とOECMの割合を並べました。陸域ではドイツ39.21%、日本29.92%、フランス28.84%、英国28.63%の順で、海域ではフランス49.27%、英国46.76%、オーストラリア45.99%、ドイツ45.33%が4割を超えています。韓国の海域は2.59%、中国は4.82%でした。
日本の陸域の割合は、資料によって違います。Protected Planetの国別ページでは29.92%(保護地域のみ29.75%)、海域は13.79%です(Protected Planet)。環境省の公表では、保護地域とOECMの合計は陸域21.0%(うちOECM 0.2%)、海域13.3%です(環境省、2026年8月3日)。

日本の自然共生サイト
環境省は、民間や地域の取り組みで生物多様性が保全されている場所を「自然共生サイト」として認定しています。令和8年度第1回で56か所が認定され、合計は610か所になりました(環境省、2026年6月30日)。日本のOECMの面積と登録の経緯は、COP17にむけた生物多様性のデータにまとめています。

唐津の横枕で続けている調査
佐賀県唐津市相知町の「相知町横枕自然共生区域」(36.67ha)は、当法人が地域の方々と保全している里山で、佐賀県で初めて環境省の自然共生サイトに認定されました。OECMとしてProtected Planetに登録されています(ID 555781451、Status Year 2024)。2024年の調査の生物リストでは、普通種が約140種です(暫定の値で、精査を続けています)。
2026年は、佐賀大学の徳田誠教授と研究室の学生の協力を得て、生物多様性のモニタリングを始めました。8月7日の第1回で赤外線センサーカメラを設置し、10月4日の第2回は横枕井堰まつりに合わせて、佐賀大学の学生4名と井堰の生きものを調べ、鮎を50匹以上確認しました。第3回は11月下旬の予定です。調査の様子は自然共生サイト 横枕の活動記録に載せています。

センサーカメラの記録(13件)
佐賀大学の徳田誠教授の研究室が、横枕のセンサーカメラの記録を表にまとめました。2026年8月12日から9月17日までの記録は13件で、イノシシが9件(親子やウリ坊を含む)、鳥が3件、昆虫が1件でした。鳥3件のうち1件はシジュウカラで、ほかの2件は種まで確定していません。
| 写ったもの | 件数 | 記録表の注記 |
|---|---|---|
| イノシシ | 9 | 親子、ウリ坊を含む |
| 鳥 | 3 | シジュウカラ1件、種まで確定していないもの2件 |
| 昆虫 | 1 | 種まで確定していない |
| 合計 | 13 | 2026年8月12日〜9月17日 |
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 世界の野生動物は、どれくらい減っていますか?
WWFとロンドン動物学会の「Living Planet Report 2024」では、1970年から2020年までに、観測された野生動物の個体群の大きさが平均73%減少しました。約35,000の個体群・5,495種のデータによる値です。
Q2. 日本の絶滅危惧種は何種ですか?
環境省のレッドリストに載る絶滅危惧種は3,587種です(2026年3月末時点、令和8年版 環境白書)。
Q3. 佐賀県のレッドリストには何種が載っていますか?
2023年8月現在で931種です。絶滅54種、絶滅危惧Ⅰ類316種、Ⅱ類235種、準絶滅危惧232種、情報不足89種、地域個体群5です(佐賀県)。
Q4. 30by30は、世界でどこまで進んでいますか?
Protected Planetの2026年10月の世界統計では、保護地域とOECMをあわせて陸域18.69%、海洋10.04%です。
Q5. 日本の陸域の保護地域とOECMは何%ですか?
Protected Planetの国別ページでは29.92%、環境省の公表(2026年8月3日)では21.0%で、資料によって値が違います。海域はProtected Planetで13.79%、環境省で13.3%です。
Q6. 自然共生サイトは何か所ありますか?
令和8年度第1回で56か所が認定され、合計610か所になりました(環境省、2026年6月30日)。
出典台帳
| 資料 | 発行 | 日付 | URL | 取得日 |
|---|---|---|---|---|
| Living Planet Report 2024 | WWF・ロンドン動物学会(ZSL) | 2024-10 | https://www.wwf.org.uk/sites/default/files/2024-10/living-planet-report-2024.pdf | 2026-10-28 |
| 生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書 政策決定者向け要約 | IPBES | 2019 | https://files.ipbes.net/ipbes-web-prod-public-files/inline/files/ipbes_global_assessment_report_summary_for_policymakers.pdf | 2026-10-28 |
| 侵略的外来種に関する評価 プレスリリース | IPBES | 2023 | https://www.ipbes.net/IASmediarelease | 2026-10-28 |
| IUCN Red List(Version 2026-1、トップページ) | IUCN | - | https://www.iucnredlist.org/ | 2026-10-28 |
| 令和8年版 環境白書(第2部第2章第5節) | 環境省 | 2026 | https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r08/html/hj26020205.html | 2026-10-28 |
| 第5次レッドリスト(植物・菌類)の公表 | 環境省 | 2025-03 | https://www.env.go.jp/press/press_04578.html | 2026-10-28 |
| 生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021(JBO3) | 環境省 | 2021 | https://www.env.go.jp/content/900517171.pdf | 2026-10-28 |
| 自然共生サイトの認定(令和8年度第1回) | 環境省 | 2026-06-30 | https://www.env.go.jp/press/press_05186.html | 2026-10-28 |
| 保護地域とOECMの割合(OECMの国際データベースへの登録) | 環境省 | 2026-08-03 | https://www.env.go.jp/press/press_05386.html | 2026-10-28 |
| 佐賀県レッドリスト | 佐賀県 | 2024-06-20更新 | https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00314125/index.html | 2026-10-28 |
| Global statistics(世界統計) | UNEP-WCMC・IUCN(Protected Planet) | 2026-10 | https://www.protectedplanet.net/en/global_statistics_download | 2026-10-28 |
| October 2026 monthly release news | UNEP-WCMC・IUCN(Protected Planet) | 2026-10 | https://www.protectedplanet.net/en/monthly-release-news/october-2026 | 2026-10-28 |
| Protected Planet Report 2024 | UNEP-WCMC・IUCN | 2024 | https://digitalreport.protectedplanet.net/ | 2026-10-28 |
| GBF ターゲット3 | 生物多様性条約事務局 | - | https://www.cbd.int/gbf/targets/3 | 2026-10-28 |
| 国別ページ(日本ほか9か国) | UNEP-WCMC・IUCN(Protected Planet) | 2026-10 | https://www.protectedplanet.net/country/JPN | 2026-10-28 |
| Ouchi Town Yokomakura Natural Symbiosis Area(ID 555781451) | UNEP-WCMC・IUCN(Protected Planet) | 2026-10 | https://www.protectedplanet.net/555781451 | 2026-10-28 |
| 横枕のセンサーカメラの記録表 | 佐賀大学 徳田誠教授の研究室 | 2026-10 | 非公開(当法人あて) | 2026-10-28 |
資料の中で数字が違う箇所
日本の陸域の保護地域とOECMの割合は、Protected Planetの国別ページでは29.92%、環境省の公表(2026年8月3日)では21.0%です。同じProtected Planetのページには、日本の国別報告書の値として陸域20.3%も載っています。世界の陸域の値は、Protected Planet Report 2024(2024年8月時点のデータ)の17.6%と、2026年10月の世界統計の18.69%で時点が違います。環境省の第5次レッドリスト(植物・菌類)の絶滅危惧種2,063種は、第4次の2,270種から207種減っていますが、環境省は評価基準の変更などのためとしています。
このページで扱っていないこと
絶滅危惧種・準絶滅危惧種の種名、横枕で確認した希少な種の名前・場所・数、センサーカメラの設置場所、唐津市だけの生物の数(一次資料が見つかっていないため)、横枕の2024年9月〜2025年6月の生物リスト(種数の数え方が決まっていないため)は扱っていません。資料のあいだで値が違う理由の説明も、原典に書かれていないものは載せていません。
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このページの数字の引用、自然共生サイトや生物多様性の調査、企業・学校・団体との連携のご相談は、お問い合わせフォーム、またはinfo@karatsu-f-f.comからお寄せください。
このページについて
作成:小嶋宏明(NPO法人唐津Farm&Food 副理事)/お問い合わせ:info@karatsu-f-f.com(お問い合わせフォーム)/公開:2026年10月28日/Markdown版:biodiversity-data.mdこのページはAIと一緒に作っています。作り方はこのデータバンクとAIをご覧ください。
関連リンク
▶ Karatsu Data Bank(唐津データバンク)
▶ COP17にむけた生物多様性のデータ
▶ 自然共生サイト 横枕の活動記録
▶ 自然のクレジットの収入と費用
▶ Biodiversity in Numbers (English)