佐賀県初の自然共生サイトから広げる ネイチャーポジティブ
NPO法人 唐津FARM&FOODは、佐賀県唐津市相知町・横枕地区において、環境省が認定する「自然共生サイト」の管理団体として、生物多様性の保全と地域の持続可能な発展に取り組んでいます。ここでは、自然・人・社会が共に続くための最適なかたちを現場から探り、自然のしくみを生かした解決(NbS:Nature-based Solutions)を地に足の着いた形で進めています。
▶ 自然共生サイト:唐津市相知町横枕自然共生区域| ecojin(エコジン) - 環境省の特集ページ はこちら
佐賀県初の自然共生サイト:相知町横枕自然共生区域
佐賀県初の自然共生サイトである「唐津市相知町・横枕自然共生区域」は、 2023年度後期の認定に続き、2025年度第1回の「地域生物多様性増進法」に基づく 自然共生サイトとしても正式に認定されました。
この区域は、以下の重要な価値基準を満たす地域として評価されています。
- 里地里山に代表される、二次的自然環境に特徴的な生態系が存する場としての価値
- 地域の伝統工芸・伝統行事を支えてきた自然資源の供給の場としての価値
- 希少な動植物が生息・生育、またはその可能性が高い場としての価値
こうした多面的な価値により、横枕地区は「自然と人が共生する地域」として認定され、 将来世代へ受け継ぐべき重要な里山として位置づけられています。
人と自然が共に生きる社会を、次の世代へ
横枕地区では、農薬や化学肥料に頼らない有機的な農の営みや、間伐材・竹の利活用、里山(SATOYAMA)の手入れを通じて、自然の回復力を活かす取り組みが続いています。SATOYAMAは海外でも、人の暮らしと生態系の調和を図る知恵として注目されており、ここでの実践は次の世代へ受け渡す地域のレガシーとして、暮らしと自然の両方を支える土台になっています。
ボランティアツーリズム|自然共生サイト・横枕農園(唐津市)
佐賀県初の自然共生サイト「横枕地区」では、農作業のサポートだけでなく、 里山の整備や生物多様性の保全に関心のある方を歓迎しています。 田植えや収穫などの農の営みはもちろん、竹林管理や水路の手入れなど、 自然と人の暮らしを支える作業を一緒に体験できます。
横枕は、学びと滞在を兼ねた“ボランティアツーリズム”に最適なフィールドです。 初めての方でも地域の方と一緒に取り組める環境が整っており、 自然に触れながらリフレッシュできる時間が待っています。
自然共生サイト、横枕では地域に根づいた伝統文化や風景を守りながら、環境にやさしい観光(エコツーリズム)や教育活動を通じて、国内外の人々とつながる“グローカル”な取り組みも広がっています。
※唐津ミツバチプロジェクトは、「GREEN×EXPO 2027全国連携プログラム」に登録された活動です。
里山から生まれる、ネイチャーポジティブ・エコノミー
私たちが目指すのは、単に「自然を守る」だけでなく、「自然とともに豊かになる経済」です。地球環境の安全域を示すプラネタリー・バウンダリー(地球の限界)に配慮し、資源の使い方や排出を見直しながら、里山(SATOYAMA)の循環と学びを地域の仕事へつなげていきます。
横枕の自然共生サイトで培ってきた資源循環と環境教育を深め、「地域と自然が互いに支え合う」モデルづくりを進めます。
地域から世界へと広がる『ネイチャーポジティブ・エコノミー』を、私たちはここから発信しています。
▶ サーキュラーエコノミー 資源循環プロジェクトはこちら
▶ 唐津南高校の持続可能な環境教育 ESD Projectはこちら
九州から世界へ ネイチャーポジティブな社会づくりを共に
現在、横枕のモデルを九州各地へ広げていくプロジェクトが動きはじめています。地域ごとの自然条件や文化を尊重しつつ、SATOYAMAの視点で現場の最適解を共につくり、その学びを開かれた知見として循環させていきます。
企業、自治体、学校、NPOなど、立場を越えたパートナーと力を合わせて、実装と発信を同時に進めます。
唐津FARM&FOODとの協働は、「自然と共に生きる企業」としての姿勢を社会に示す、大きなチャンスにもなります。
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SDGsと生物多様性を柱にした 持続可能な地域づくり
唐津Farm&Foodでは、SDGsの達成に向けて、プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)を意識した設計に基づき、SATOYAMAの知恵を生かしながら地域の豊かな自然と共にある活動を展開しています。
特に、里山管理・水土保全・農的循環といった「自然の力を生かす解決」を軸に、気候・水・生物多様性への負荷を減らす実践を重ねています。
- 有機農業や竹林管理を活かした資源の循環
- ESD(持続可能な開発のための教育)を軸とした環境教育プログラム
- 学校や大学との連携によるプラスチック資源循環の体験型ワークショップの実施
- 海洋プラスチックゴミやマイクロプラスチックの学びを通じた「海を守る教育」
それぞれの活動が結び合い、SATOYAMAの価値を現代の暮らしに活かしながら、持続可能な暮らしと産業を地域から育てる確かな一歩になっています。
企業・団体の皆さまへ:自然共生サイトへの支援を募集しています
唐津Farm&Foodでは、環境省認定の自然共生サイト「横枕地区」における保全活動を継続・発展させるため、 全国の企業・自治体・団体の皆さまからのご支援・ご協力を広く募集しています。 特に、環境省が2025年から本格運用する「自然共生サイト支援証明書制度」の活用により、 貴社のCSR・TNFD対応・ESG情報開示にも貢献できる連携が可能です。
支援による企業メリット
- 支援証明書の取得(環境省発行・公式):CSR活動やIR資料での活用可
- TNFD(自然関連財務情報開示)対応:ネイチャーポジティブ経営への一歩
- ブランド向上・ESG評価向上:社会的信頼・社員の誇りに直結
支援の形態(いずれも証明書対象)
- 資金提供(寄付・協賛金・商品の購入)
- 技術・ノウハウ提供(環境調査、モニタリング等)
- 社員参加型のボランティア(里山整備、生物多様性観察など)
- 物資支援・共同イベント(教育・広報・販促など)
地元企業や団体との協働に加え、全国の皆さまとの新たな連携も広く歓迎しています。 貴社のご関心や強みに応じた支援方法をご提案させていただきます。
お問い合わせ・お申し込み
ネイチャーポジティブな未来をともに育ててくださる企業・団体の皆さまは、
下記「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。
ご希望に応じて、制度の詳細や申請の流れについても個別にご説明いたします。
生物多様性の取り組み 実績
生物多様性の取り組み 2025年
- 相知町横枕・自然共生サイトでの生息地保全活動 2025/11/19
- 大丸福岡天神店「ネイチャーポジティブクリスマス」に協力しました 2025/11/8
- MRT宮崎放送が横枕自然共生サイトを視察しました 2025/11/7
- 九州大学「九大祭」で横枕農園のビーツパウダーを提供しました 2025/11/2
- 横枕農園で「紅はるか」の収穫を行いました 2025/10/26
- 横枕自然共生サイト「井堰祭り」を開催しました 2025/10/5
- 唐津ミツバチプロジェクト「採蜜」を実施しました 2025/10/4
- 自然共生サイト「認定式」に参加しました 2025/9/30
- 自然共生サイト米の収穫・販売を開始 2025/9/18
- APU国際学生と大丸九州探検隊が佐賀の自然共生サイトを視察 2025/9/15
- 唐津ミツバチプロジェクトがNHK佐賀に取材されました 2025/9/1
- サンショウウオの沢を守るために|横枕での保全活動を実施 2025/7/13
- 横枕農園のビーツで味わう、ウクライナの伝統料理「ボルシチ」 2025/7/12
- ビーツ収穫と農園のこれからを語る一日 2025/6/14
- 自然共生サイトでの米づくり、順調に進行中! 2025/6/8
- 「唐津ミツバチプロジェクト」夏の蜜源づくり|ひまわりの種まき 2025/5/31
- 横枕、自然共生サイトでの植樹活動 2025/5/25
- 世界生物多様性の日に参加|九州から発信するネイチャーポジティブ 2025/5/22
- 5月20日は「世界ミツバチの日」 2025/5/18
- 佐賀県自然史研究会 春の自然観察会 in 横枕 2025/5/18
- フランス人ボランティアのお別れ会を開催 2025/5/3
- 横枕・自然共生サイトにて伝統行事「お籠り」開催 2025/4/29
- 横枕農園で米づくりスタート! 2025/4/27
- 自然共生サイト 横枕×駒鳴|里山保全とネイチャーポジティブな一日 2025/4/23
- 自然共生サイト・横枕にて春の環境保全作業を実施 2025/4/20
- 唐津ミツバチプロジェクト2025 始動! 2025/4/19
- 令和7年4月1日施行|「生物多様性増進活動促進法」と自然共生サイト・横枕の取り組み 2025/4/1
- ビーツの種まきから始まる、春の畑しごと 2025/3/10
- 環境省主催の研修会「ヤゴの住む場所から考える生物多様性」に参加しました 2025/1/26
- 横枕の鬼火焚きに参加 2025/1/5
相知町横枕・自然共生サイトでの生息地保全活動(11月19日)
地域の力と海外ボランティアがつながる、生態系保全の現場から
2025年11月19日、相知町横枕の自然共生サイトにて、希少生物である サンショウウオの生息地を守る保全活動を行いました。 今回はデンマークからボランティアとして訪れたLivaさん、地域住民の皆さんとともに作業を実施しました。
現場では、湧水が湧き出る大切な住処が土砂でふさがれ、生息環境が悪化していたため、 堆積した土砂の除去や、沢から新たな土砂が流れ込まないようにするせき止め作業を行いました。 寒さの中での作業でしたが、地域の方々のご指導のもと、協力しながら丁寧に整備を進めました。
横枕自然共生サイトの大きな魅力のひとつは、 地域住民と外部の参加者が一緒になって活動できる場所であること。 今回の活動でも、地元と海外のボランティアが自然を通じてつながり、 国や地域を超えた協働の体験が生まれました。
希少種の生息地としての価値
横枕自然共生サイトは、自然共生サイトの評価基準における 「価値(6)希少種」──希少な動植物が生息または生育する場として登録されています。 サンショウウオのような繊細な生きものにとって、湧水環境の維持は不可欠です。
湧水を守ることは、未来の生態系を守ること
小さな湧水を守る作業は、清らかな水を未来へ引き継ぎ、 周囲の生態系を支えるための重要な取り組みです。 今回の整備で生息地は大変きれいになり、環境改善が期待されます。
地域と外部の力が交わることで広がる、自然との共生の輪。 横枕自然共生サイトでは、これからも継続的に生態系保全の取り組みを進めていきます。
大丸福岡天神店「クリスマスツリー点灯式」に参加しました
自然共生サイトの連携が九州へ、そして未来へと広がる一日
大丸福岡天神店で開催されたクリスマスツリー点灯式に、 佐賀県の自然共生サイトを代表して唐津Farm&Foodが協力団体として参加しました。
今回のテーマは、 「Legacy 〜未来に続く、いのちの光〜」。 九州から“ネイチャーポジティブ(自然再興)”のメッセージを発信する象徴的なイベントとなりました。
間伐材から生まれたツリー——自然共生サイトの象徴として
今年のクリスマスツリーは、大分県の自然共生サイトである田島山業が 山林保全のために行った間伐材を活用したものです。 伐採された木々が無駄にならず、温もりあるツリーとして生まれ変わり、 来場者の心を優しく照らすデザインとなりました。
自然共生サイトの魅力を展示・販売で発信
唐津Farm&Foodは、横枕自然共生区域・横枕農園で収穫した 「自然共生サイト米」、 「唐津ミツバチプロジェクト」の日本ミツバチのはちみつ を展示販売しました。
販売には、九州大学の学生(株式会社Borsch?)や 唐津南高校の卒業生も参加し、 若い世代が自然共生サイトの価値を来場者へ直接伝える機会となりました。
Futabaキーホルダーのコラボレーション
さらに、大丸福岡天神店(九州探検隊)、雙葉高校3magoの皆さん、 そして唐津Farm&Foodとの協働で誕生した 「Re:f Futaba Factory」のキーホルダーを来場者へプレゼント。 地域・学生・企業が連携したネイチャーポジティブな取り組みを共有しました。
APUインターン生によるステージ発表
立命館アジア太平洋大学(APU)のインターン生も登壇し、 タイからの留学生が横枕自然共生区域の活動を日本語で紹介。 多文化の視点から、自然共生サイトの価値を発信する姿が印象的でした。
環境省も評価する「全国初」の民間主導イベント
環境省の来賓スピーチでは、 「自然共生サイト(36団体)を民間企業が集めたネイチャーポジティブなイベントは、全国でも前例がない」 との紹介がありました。
唐津Farm&Foodとしても、佐賀県初の自然共生サイトとしてこの場に関われたことを、大きな誇りとして受け止めています。
九州から、アジア・世界へ。レガシーを未来へつなぐ
大丸福岡天神店の九州探検隊との協働は、 2023年の「サーキュラーエコノミー」、 2024年の「生物多様性」、 そして2025年は「ネイチャーポジティブ」へとテーマを深化させてきました。
対馬市との連携や、そこから生まれた企業との共創、 さらには大阪・関西万博での登壇やワークショップなど、 多くの取り組みが“レガシー”として広がり続けています。
今後も唐津Farm&Foodは、 風光明媚な唐津の自然共生の価値を九州から、 そしてアジア・世界へ届けてまいります。
▶ 詳しいレポートはこちら:
ネイチャーポジティブクリスマスプロジェクト 特設ページ
MRT宮崎放送が横枕自然共生サイトを視察しました
宮崎から唐津へ。自然共生サイトを軸に広がる九州のつながり
唐津の自然共生サイト「相知町横枕自然共生区域」に、 宮崎県で「MRTの森」や「好隣梅」といった自然共生サイトの管理・発信に取り組まれている MRT宮崎放送の皆さまが視察に訪れました。
横枕での活動については、唐津Farm&Foodのホームページをご覧いただき、 里山の保全やボランティアツーリズムの取り組みに共感いただいたことがきっかけでした。
タイルアートやMINI宮崎との連携から生まれたご縁
今回の視察は、約2年前に行ったウミガメのタイルアートの取り組みや、 MINI宮崎さんとのコラボレーション企画など、これまでのご縁の延長線上にあります。 宮崎と唐津、それぞれの地域で自然共生サイトに向き合う実践を共有し合うことで、 九州全体での連携の可能性が少しずつ形になりつつあります。
ネイチャーポジティブを九州から発信していくために
視察の翌日には、大丸福岡天神店での「ネイチャーポジティブクリスマス」も控えており、 私たちは九州各地に広がる自然共生サイトの取り組みや、その背景にある地域の思いを、 都市部の来場者へ伝えていく準備を進めています。
唐津Farm&Foodは、今回のMRT宮崎放送との交流をきっかけとして、 宮崎をはじめとする九州各地と連携しながら、 ネイチャーポジティブ(自然再興)の価値を共有し合うネットワークを育てていきたいと考えています。
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2025/11/1–2 九州大学「九大祭」で横枕農園のビーツパウダーを提供しました
学生主体の取り組み「Borsch?」との協働。農園のつながりが広がる機会に
2025年11月1日・2日に開催された九州大学の学園祭「九大祭」にて、 学生団体「株式会社Borsch?」が提供した本格ボルシチの販売に、横枕農園のビーツパウダーをご使用いただきました。
Borsch?の皆さんとは、横枕農園で行った農業ボランティアをきっかけに交流が生まれ、 今回の学園祭での連携につながりました。 学生の皆さんが主体となり、文化・食・ストーリーをかたちにしていく姿に、参加した私たちスタッフも大きな刺激を受けました。
九大祭ならではの多彩な催し
学園祭当日は多くの来場者で賑わい、飲食ブースや展示など、 どの企画も創意工夫に富んだ内容で、大学らしい活気にあふれていました。 横枕農園のスタッフや学生ボランティアの仲間たちで訪れ、 若い世代の発信力やエネルギーを肌で感じる時間となりました。
横枕農園の取り組みを学生たちの表現へ
今回の学園祭での協働を通じ、 自然共生サイトで育つ農産物の魅力や、地域での取組が、 学生たちの創造力を通して新たなかたちで発信される可能性を感じています。 今後も横枕農園では、世代や領域を越えたつながりを大切にしながら活動を続けていきます。
株式会社Borsch?の皆さん、九大祭にて関わってくださったすべての皆さまに、心より御礼申し上げます。
2025/10/26 横枕農園で「紅はるか」の収穫を行いました
自然共生サイトで広がる交流と、里山を未来へつなぐ取り組み
2025年10月26日、自然共生サイトに認定されている 唐津市相知町・横枕農園で、秋の風物詩となる「紅はるか」の収穫作業を行いました。
今回の収穫には、先日開催したビーツ試食会に参加した九州大学の学生の皆さんや、 ホームページを通じて応募くださった地域ボランティアの方々が参加。 里山での農作業を通して、自然との関わりや地域の営みを体感していただく機会となりました。
自然共生サイトとして広がるつながり
横枕農園が自然共生サイトとして認定されたことで、 視察やボランティアの参加希望が年々増えています。 地域の皆さんが長年守り続けてきた里山のレガシーを中心に、 人と人とのつながりが広がり、新しい学びや交流が生まれています。
里山でのボランティアツーリズムをこれからも
横枕農園では、農作業や生態系保全活動を通じて、 里山の魅力に触れながら参加者自身が地域とつながる ボランティアツーリズムを推進しています。
今後も、自然共生サイトならではの豊かな環境と地域の知恵を生かし、 多様な世代の方々が参加できる体験型の活動を続けていきます。 ぜひ里山のフィールドに足を運び、横枕の取り組みを一緒に体験してみてください。
2025/10/5 横枕自然共生サイト「井堰祭り」を開催しました
里山の文化を守りながら、生態系と暮らしをつなぐ伝統行事
2025年10月5日、唐津市相知町横枕の自然共生サイトで、毎年恒例となる 「井堰祭り」を開催しました。 横枕に残る伝統的な里山文化に触れながら、水路や川の環境を整える重要な活動として受け継がれています。
自然を学び、暮らしに生かす横枕ならではの取り組み
横枕の井堰祭りでは、ただの伝統行事として行うだけでなく、 水質調査、資源循環の実践、そして自然の中で遊びながら学ぶ仕組みなど、 環境教育が自然と組み込まれていることが特徴です。
鮎の増減から知る、川の変化
今年は昨年より鮎の捕獲数が増加しましたが、 近年の推移を見ると、全体としては減少傾向にあることも分かっています。 だからこそ、井堰祭りの中で行う 「ラバー堰に堆積した土砂を下流へ流す清掃」は、 川の流れと生態系を維持する上で欠かすことのできない作業です。
日本の里山文化を未来へつなぐ
横枕のような里山文化は、日本の原風景として全国に受け継がれてきた貴重な営みです。 佐賀県には、こうした自然と共生し続ける地域が数多く残されています。
唐津Farm&Foodは、地域の皆さんと協力しながら、 日本の文化と豊かな里山の価値を次世代へつなぎ、さらに深めていく取り組みを続けてまいります。
2025/10/4 唐津ミツバチプロジェクト「採蜜」を実施しました
地域と若い世代がともに学ぶ、横枕里山の秋の風景
2025年10月4日、相知町横枕の自然共生サイトにて、 今年も「唐津ミツバチプロジェクト」の採蜜作業を行いました。 秋晴れのもと、地元住民の皆さんに加え、鹿島市から足を運んでくださった吉田先生、 唐津南高校の生徒、さらに相知中学校の生徒たちが参加し、 世代や地域をまたいだ学びと交流の場となりました。
ニホンミツバチが運んでくる、横枕の恵み
今回採れたのは、さまざまな花の蜜が混じり合ったニホンミツバチの百花蜜です。
ふんわりとした花の香りと穏やかな甘さ、ほんのり感じられる酸味が特徴で、
横枕の里山が育んだ豊かな風味を、参加者みんなで味わいました。
蜜源を育てる、ひまわりの試み
横枕ではミツバチのための環境づくりにも取り組んでおり、
今年の夏はひまわりを蜜源として栽培しました。
花を育てることでミツバチのエサ場を増やし、生きものの暮らしを支えながら、
人の暮らしも豊かにしていく――そうしたネイチャーポジティブ(自然再興)の考え方に基づいた試みです。
NHK佐賀による取材
当日は、日頃から横枕の活動を取材してくださっているNHK佐賀の取材クルーも来訪し、
採蜜作業の様子や、若い世代が里山と関わる意義について丁寧にお話を聞いていただきました。
地域で続けてきた取り組みが、放送を通じてより多くの方に届く大切な機会となりました。
自然と向き合う一つひとつの体験が、地域の未来をかたちづくる力になります。
唐津ミツバチプロジェクトは、横枕の里山に息づく多様な生きものの存在を見つめながら、
その価値を次の世代へ受け継いでいく取り組みとして、今後も継続していきます。
2025/9/30 自然共生サイト「認定式」に参加しました
法制度がスタート。“自然再興”を推進する新たなステージへ
9月30日、東京・砂防会館で開催された自然共生サイトの認定式に参加してきました。 今回の認定式は、令和5年度に佐賀県で初めて認定されたものとは別に、 今年4月に施行された 「生物多様性増進活動促進法」 に基づいて行われたものです。
この法律により、主務大臣が活動計画を認定する新制度が開始。 これまで分散していた手続きの一元化(ワンストップ化)や、規制の特例措置が可能となり、 日本全体でネイチャーポジティブ(自然再興)を推進する基盤が整備されました。
唐津出身・古川康副大臣によるスピーチ
授与式では環境大臣の挨拶に続き、 国土交通省副大臣で唐津出身の 古川康議員 が登壇。 「グリーンインフラ」の重要性について力強く語られました。
グリーンインフラとは、自然を壊して作るメガソーラーや洋上風力とは異なり、 自然を残しながら景観と生態系を守る NbS(自然に基づく解決策) のアプローチ。 唐津という地元から国の場で発信される姿に、大きな励ましをいただきました。
環境省との交流、横枕農園の取り組みを紹介
式典では環境省の方々からも温かいお声掛けをいただき、 横枕農園での 「自然共生サイト米」 や 「ボランティアツーリズム」 の取り組みについて直接お伝えすることもできました。 地域と共に進めている活動を国の担当者へ共有できたことは大きな前進です。
九州の自然共生サイトは47件へ拡大
今回の法制度開始により、九州の自然共生サイトは47件に増加。 佐賀・長崎・福岡・熊本など九州全域に、ネイチャーポジティブの輪が広がっています。
ネイチャーポジティブの実現に向けて、地域と行政、そして市民が協働する時代へ。 自然再興の未来を見据え、これからも横枕から取り組みを続けてまいります。
2025/9/18 自然共生サイト米の収穫・販売を開始しました
自然共生サイト・横枕で進めている「自然共生サイト米」が、今年初めて収穫期を迎え、販売を開始しました。耕作放棄が予定されていた5.8haの田んぼを地域の皆さまと再生し、佐賀県初の自然共生サイト「相知町横枕自然共生区域」で栽培しています。
田んぼ・水路・森がつながる里山の循環をいかし、稲と多様な生きものが共に育つ環境で育てたお米です。住民の方からは「久しぶりの田んぼ風景に胸が熱くなった」との声も。新米の香りと、里山の恵みをぜひお楽しみください。
2025/9/15 APU国際学生と大丸九州探検隊が佐賀の自然共生サイトを視察
九州からアジアへ、“ネイチャーポジティブ”を学ぶフィールドワーク
2025年9月15日、唐津Farm&Foodは、12月に大丸福岡天神店で開催される 「ネイチャーポジティブクリスマス」に向けたインターンシップとして、 APU(立命館アジア太平洋大学)サステイナビリティ観光学部の学生と 大丸の九州探検隊を対象に、佐賀県内の自然共生サイト3か所を巡る視察プログラムを実施しました。
参加した学生は日本・タイ・ミャンマー・インドネシア・中国など多国籍。 九州の里山文化、生態系、地域との協働による自然共生の仕組みを現地で学ぶ貴重な機会となりました。
訪問した3つの自然共生サイト
- 相知町横枕自然共生区域(唐津市/R5後期認定)
- たのしい農家 お百笑さん(武雄市/R6後期認定)
- いまり こまなきの里(伊万里市/R6後期認定)
横枕では、地域住民と協力した水路整備や「自然共生サイト米」の栽培、唐津ミツバチプロジェクトなど 生物多様性を軸にした地域ブランドづくりを紹介。 武雄では自然共生サイトの食材を使ったランチを体験し、 伊万里では湿地ビオトープや二次林を巡り、多様な生きものの営みを観察しました。
大丸福岡天神店「ネイチャーポジティブクリスマス」へ向けて
大丸福岡天神店では、環境メッセージを発信するクリスマス企画を毎年実施。 2025年は「ネイチャーポジティブ(自然の再興)〜人と自然の共生〜」がテーマとなり、 九州・沖縄に点在する自然共生サイトの魅力を天神から広く伝える内容となります。 今回の視察は、その展示制作やストーリーデザインにつながる重要な学びの場となりました。
九州からアジアへ、自然共生の価値を発信していく
今回のフィールドワークを通じて得た学びをもとに、唐津Farm&Foodは サステナブルツーリズムやネイチャーポジティブの発信をさらに推進していきます。 九州の自然共生サイトやSATOYAMAの魅力を、アジアへ・世界へ届ける取り組みを進めてまいります。
人と自然が共に生きる“ネイチャーポジティブ”な未来へ。 佐賀の里山から始まる新たな学びと共創の形に、今後もご注目ください。
▶ 詳しいレポートはこちら:
ネイチャーポジティブクリスマスプロジェクト 特設ページ
2025/9/1 唐津ミツバチプロジェクトがNHK佐賀に取材されました
自然共生サイト・横枕で進めている「唐津ミツバチプロジェクト」が、NHK佐賀の取材を受けました。 唐津南高校の生徒や地域の皆さまと一緒に取り組むこの活動では、蜜源として植えたひまわり畑が夏空の下で元気に咲き誇っています。
取材の様子は、9月12日(木)17:00〜 NHK佐賀ラジオにて放送予定です。
今後は、採蜜したニホンミツバチのハチミツをふるさと納税の返礼品としてお届けする計画も進んでいます。
唐津Farm&Foodは、生物多様性を守り、自然と共に生きる「ネイチャーポジティブ」な取り組みを、これからも地域の皆さまと広げていきます。
2025/7/13 サンショウウオの沢を守るために|横枕での保全活動を実施
自然と文化が交差する、地域協働の一日
2025年7月13日、唐津市相知町横枕の自然共生サイトにて、サンショウウオの沢の保全活動を実施しました。
前日に開催されたビーツ試食会に続き、九州大学の学生(株式会社Borsch?)と地元の有志が力を合わせて、横枕の里山で環境整備に取り組みました。
倒木の撤去で、いのちの環境を守る
この日行ったのは、杉や竹などの倒木の撤去作業。 主な目的は以下の2つです
- 大雨時の土砂や倒木の流出を防ぐ
- 希少な生物であるサンショウウオの生息環境を守る
この沢には、ブチサンショウウオをはじめとする貴重な生きものたちが暮らしており、地域にとっても大切な自然資源です。 以前から倒木の影響が問題となっていたものの、住民の手だけでは限界がありました。
今回は、ウクライナの食文化を届けに来てくれた九大生の協力により、ついに本格的な保全作業を実現することができました。 なお、撤去した倒木は、来年の地域行事「鬼火焚き」で再活用される予定です。
保全活動のあとには、ウクライナの冷製ボルシチを
汗を流した作業のあとは、九大生が用意してくれたウクライナの冷製ボルシチ「ホロドヌイク」をみんなでいただきました。
自然の中で共に汗をかき、その後に一緒に囲む食卓。 自然保全と文化交流が融合した、心温まるひとときとなりました。
自然と文化、地域と大学、そして日本とウクライナ。 さまざまな境界を越えて協働することで、里山の自然と人とのつながりがより豊かに育まれていきます。
これからも、唐津Farm&Foodは多様なパートナーとともに、 未来へつながる“ネイチャーポジティブ”な取り組みを進めてまいります。
2025/7/12 横枕農園のビーツで味わう、ウクライナの伝統料理「ボルシチ」
食と文化がつなぐ、国際交流のひととき
2025年7月12日、唐津市相知町横枕の自然共生サイト・横枕公民館にて、ビーツ試食会を開催しました。
今回のイベントでは、九州大学の起業体験プログラム「QSHOP」から誕生した株式会社Borsch?(ボルシチ?)の学生たちが来唐。
横枕農園で大切に育てられたビーツを使って、ウクライナの伝統料理である「ボルシチ」をふるまってくれました。
このボルシチ、次は「九大祭」にも登場予定!
今回ふるまわれたボルシチは、2025年11月に開催予定の「九大祭」でも出展が予定されているとのこと。 福岡の皆さんにも、ウクライナの味と文化を体験していただける機会となります。
横枕農園では現在、田んぼの稲も順調に育っており、ビーツと稲が育つ風景が里山に広がっています。
ひと粒の種から育ったビーツが、料理となり、文化となり、人と人、地域と世界をつなぐ—
そんなかけがえのないつながりが、これからも広がっていきますように。
2025/6/14 ビーツ収穫と農園のこれからを語る一日
実りへの感謝と、次なる一歩へ
2025年6月14日、唐津市相知町横枕の自然共生サイト・横枕農園にて、育ててきたビーツの収穫を行いました。
赤紫に色づいた土の恵みを、手に取って感じる喜び。 一粒の種から育て上げた作物を前に、参加者一人ひとりの表情には達成感と自然への感謝があふれていました。
午後はミーティング|九州大学チームと農園の未来を描く
午後からは、以前より交流のあるロマンさんをはじめとする九州大学の学生チームとともに、 これからの横枕農園の在り方や、地域と連携した農の可能性について語り合うミーティングを実施。
作業の場だけでなく、学びやアイデアの交流の場としての農園の役割を再確認する、実りある時間となりました。
横枕農園では、これからも地域の自然と共に育つ作物を大切にしながら、 多様な人々と関わり合い、“つくる・食べる・考える”がつながる場を育んでいきます。 今後の活動にも、ぜひご注目ください。
2025/6/8 横枕、横枕農園での米づくり、順調に進行中!
地域とともに歩む、自然共生サイトでの田んぼプロジェクト
春からスタートした、耕作放棄地の再生プロジェクト。 新たに約5haの農地を引き継ぎ、トラクター1台と小さな田植え機を相棒に、仲間や家族と共にコツコツと農作業を重ねてきました。
この取り組みは、単なる農業ではなく、自然との共生と地域資源の循環をめざす「自然共生サイト・横枕」ならではの挑戦です。
5月17日|下泥入れ・籾まき完了
育苗の準備として苗箱への床土入れ・籾まき・覆土の作業を行いました。 育苗プールの囲いには、地域の草刈り行事の合間に切り出した竹材を活用。 自然の素材を上手に取り入れながら、循環的な農のかたちを実現しています。
いよいよ、苗づくりがスタート。小さな籾の中に宿るいのちが、少しずつ芽を出し、育っていく様子は、田んぼの季節のはじまりを感じさせてくれました。
6月8日|田植えが完了
昨年は草に覆われていた休耕田に、ついに田植えを実現! 地域の皆さまからは、農具の貸し出しやアドバイスをいただき、力を合わせて予定通り作業を終えることができました。
この田んぼは、単なる農地ではなく、生物多様性のゆりかごでもあります。 今後も、環境にやさしい米づくりを通して、横枕の自然と暮らしの豊かさを育み、未来へとつないでまいります。 引き続き、横枕農園の四季折々の取り組みにご注目ください。
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2025/5/25 横枕、自然共生サイトでの植樹活動
かつての城跡に、未来の風景を植える。地域とともに育む里山の再生
2025年5月25日、唐津市相知町横枕の自然共生サイト(環境省OECM登録地)にて、春の植樹活動を実施しました。 今回整備を行ったのは、かつて「池田城」があった竹林エリア。地域の皆さまとともに手を動かし、未来へとつながる景観づくりの第一歩を踏み出しました。
今回植えた樹種
- 河津サクラ × 6本
- 吉野サクラ × 1本
- 緋寒桜(ヒカンザクラ) × 1本
- ナツメ × 1本
四季折々の彩りをもたらす樹木たちは、春には花を咲かせ、 鳥や虫たちが訪れる生きものの拠点となることが期待されています。
植樹は単なる美化活動ではなく、生態系と文化の再生を目指す“未来への投資”です
グローバルな自然再生コミュニティと連携して
この活動は、私たち唐津Farm&Foodが参画している国際的な生態系再生コミュニティ ERC(Ecosystem Restoration Communities)の一環として実施されました。
さらに、本プロジェクトは、アイルランドの非営利団体ChangeXを通じて、 「ServiceNowコミュニティ向上ファンド」からの資金提供を受けており、 唐津市横枕地区はERC日本初の活動拠点として自然再生のモデルを築いています。
人と自然が共に生きる“ネイチャーポジティブ”な未来へ。 小さな一本の苗木が、やがて多くの命を育む場所となるよう、 地域の皆さまとともに、その風景を少しずつ形にしていきます。 今後も横枕での生態系再生の取り組みにご注目ください。
2025/5/31 「唐津ミツバチプロジェクト」夏の蜜源づくり|ひまわりの種まき
自然共生サイト・横枕に広がる、笑顔と希望の花畑
2025年5月31日、唐津市相知町横枕の自然共生サイトにて、「唐津ミツバチプロジェクト」の一環として、夏の蜜源づくりのためのひまわりの種まきを行いました。
今回の作業には、唐津南高校の生徒たちや地元住民の皆さま、そしてウクライナから来日された方にもご参加いただき、世代や国境を越えた協働による温かな時間となりました。
ミツバチと平和の象徴|ウクライナの国花「ひまわり」
ひまわりは、ウクライナの国花でもあり、平和と希望の象徴とされる花です。
遠く離れた地・横枕の田んぼに、その種がまかれたことは、ただの蜜源づくりにとどまらず、国際的なつながりと祈りを込めた象徴的な行為とも言えるでしょう。
地域の自然と共生するミツバチたちにとっても、そして私たち人間にとっても、 ひまわり畑が未来への光となることを願っています。
田んぼに広がるひまわりの種まきの風景には、参加者の笑顔があふれ、 自然、暮らし、そして世界とのつながりを体感するかけがえのない一日となりました。 今後、夏の陽ざしのもとで咲き誇るひまわり畑と、そこに集うミツバチたちの姿が見られるのが楽しみです。

2025/5/22 世界生物多様性の日に参加|九州から発信するネイチャーポジティブ
地域の営みが未来を変える—横枕から世界へ
2025年5月22日、「世界生物多様性の日」にあわせて、北九州市立いのちのたび博物館にて開催されたイベント 『ネイチャーポジティブな社会を九州の地から』に参加しました。
イベントは、北九州市長による力強いオープニングプレゼンテーションから始まり、九州各地の自然共生サイトをはじめとする多様な事例発表が行われました。
唐津Farm&Foodからは、自然共生サイト・横枕の住民代表が登壇。 日々の暮らしの中で育まれてきた里山の価値と、そのつながりが地域内外へと少しずつ広がっていることを、会場の皆さんと共有しました。
SATOYAMAの美しさと民藝の思想
私たちが取り組んでいる横枕地区での活動は、地域の方々が代々守り継いできた日本のSATOYAMA(里山)の自然と文化に根ざした挑戦です。
そこには、何気ない日常の中にある風景や、生きものとの共生、農の営みの美しさがあります。
それはまさに、柳宗悦が提唱した「民藝運動」の思想― 「日常の中の美」に通じるものでもあり、ネイチャーポジティブな社会の本質的な価値に深く結びついています。
地域から世界へ|ERCでも国際発信
また同日、私たちが連携している国際団体ERC(Ecosystem Restoration Communities)の公式Instagramでも、 横枕での環境再生活動が「世界生物多様性の日」の事例として紹介されました。
一つの地域の営みが、国境を越えて共感を呼び、広がりを見せた一日。 “ローカルからグローバルへ”、そのつながりの力を実感する機会となりました。
これからも唐津Farm&Foodは、里山での小さな実践から、世界とつながるネイチャーポジティブな社会づくりを目指して活動を続けてまいります。

2025/5/18 5月20日は「世界ミツバチの日」
自然共生サイト・横枕で広がるミツバチとの共生の輪
毎年5月20日は、ミツバチの重要性を世界的に再認識する「世界ミツバチの日(World Bee Day)」。 唐津市相知町横枕の自然共生サイトでは、これに先立つ5月18日に、「唐津ミツバチプロジェクト」の一環として、日本ミツバチの巣箱の清掃と増設作業を行いました。
この作業には、地域住民の皆さまに加え、佐賀県鹿島市から来訪された吉田先生にもご参加いただき、住民と専門家の協働による意義深い取り組みとなりました。
日本ミツバチの営巣状況|個性豊かな5群が6群に!
現在、横枕では5群のニホンミツバチがそれぞれ順調に活動しており、蜜源(ミツバチの餌となる花や植物)の違いにより、巣の発達の様子にも個性が見られます。 巣箱の状態に応じて新たな箱を追加する作業を行った結果、キンリョウヘン(ラン科の植物)を設置していた巣箱に自然分蜂が発生し、新たに1群が加わりました。
これにより、唐津ミツバチプロジェクトの養蜂数は5群から6群へと拡大。 地域に根ざした活動に、多くの住民の方々が積極的に関わってくださっており、心強い広がりを見せています。
ミツバチと暮らす|夏に向けた蜜源づくりへ
今後は、ミツバチたちの活動を支えるための夏の蜜源づくりも始まります。 ヒマワリやソバ、クローバーなどの花を育てながら、自然のリズムに寄り添った暮らしを、地域全体で育んでいきます。
ミツバチは、私たちの暮らしと食を支える“小さな命の働き手”です。 唐津ミツバチプロジェクトでは、こうした存在と共にあることで、生物多様性と地域循環の価値を次世代へとつないでいきます。



2025/5/18 佐賀県自然史研究会 春の自然観察会 in 横枕
“自然共生サイト・横枕”を舞台に、生きものの多様性と出会う一日
2025年5月18日、佐賀県唐津市相知町・横枕区にて、佐賀県自然史研究会による春の自然観察会が開催されました。 本イベントは、環境省の「自然共生サイト(OECM登録地)」に認定されている横枕地区において、地域の自然環境を見つめ直す貴重な機会となりました。
佐賀大学の徳田教授を中心に、地域住民や子どもたち、県内の専門家・教員の皆さんが参加。 田んぼ、ため池、神社、森、水路といった多様な自然環境をめぐりながら、多くの生きものたちと出会いました。
観察された主な生きものたち(一部抜粋)
【動物】
- アカハライモリ、ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル、ヤマアカガエル
- カワニナ、スワミリンゴガイ、ミゾレヌマエビ、サワガニ、ドンコ
- クロスジギンヤンマ、ホソミイトトンボ、ハラビロトンボ
- スジヒラタガムシ、キベリヒラタガムシ、アメンボ類、ヒメゲンゴロウ、ミズカマキリ など
【植物】
- オドリコソウ、ムラサキケマン、ネコノメソウ、ナルコユリ、サラシナショウマ
- エゴノキ、ヤマグワ、イスノキ、モウソウチク、ヤブツバキ、ムサシアブミ など
自然と語らい、未来へつなぐ「発見シェアタイム」
観察会の最後には、横枕公民館にて“発見シェアタイム”を実施。 参加者一人ひとりが見つけた生きものや感じたことを共有し、地域の自然環境の価値について語り合う時間となりました。
佐賀県内各地から集まった専門家・教員と横枕地域の住民が一体となり、自然を見つめ、学び合う―
そんな時間を通して、参加者それぞれが「里山の可能性」と「生物多様性の大切さ」を再確認しました。 今後も唐津Farm&Foodでは、専門家と連携した自然調査や情報発信を通じて、 佐賀県全体でのネイチャーポジティブな地域づくりを推進してまいります。

2025/5/3 フランス人ボランティアのお別れ会を開催
横枕で広がる“自然共生”と“国際交流”の輪
2025年春、唐津市相知町横枕の自然共生サイトに滞在していたフランスからのボランティアの皆さんとのお別れ会を開催しました。
この日は、地域の皆さまと一緒にバーベキューを囲みながら、和やかなひとときを過ごしました。 唐津Farm&Foodからは、横枕農園で栽培したキューバミント「イエルバブエナ」を使った“唐津モヒート”を振る舞い、地元の味とともに交流を深めました。
また、ボランティアの方々からはギターの弾き語りのサプライズ演奏もあり、笑顔あふれる心温まる時間となりました。
ボランティアツーリズム元年|フランスと横枕の自然共生のかたち
今年から始まった、自然共生サイト・横枕でのボランティアツーリズム。
フランスから来た若い環境保全の専門知識をもつボランティアの方々と共に、里山の整備や養蜂、農作業、伝統行事への参加など、さまざまな活動を展開してきました。
交流の中では、フランスにおける生物多様性保全やネイチャーポジティブの理念について学ぶ機会にも恵まれ、横枕の未来に向けた大きな刺激と学びとなりました。
この春に育まれた絆と経験は、国境を越え、言葉を越えて、私たちの心に深く残るものとなりました。 「メルシーボク!」 またいつか、横枕で再会できることを心から願っています。
今後も、唐津Farm&Foodでは国内外の仲間と共に、環境と文化の両面から持続可能な地域づくりを進めてまいります。 引き続き、皆さまのご関心と応援をよろしくお願いいたします。

2025/4/29 横枕・自然共生サイトにて伝統行事「お籠り」開催
地域の文化と国際交流が重なる、春のひととき
2025年4月29日、唐津市相知町横枕の自然共生サイトにて、地域の伝統行事である「お籠り」が行われました。 この行事は、地域の守り神である横枕神社での神事と、その後の地域住民による交流の時間を含む、横枕ならではの大切な春の行事です。
当日は、地域の皆さまに加え、フランスから来日中のボランティアの方々も参加。
午前中は横枕神社での厳かな神事が執り行われ、その後は、自然共生サイト内の草刈り作業にも協力しながら、里山の整備に汗を流しました。
フランスの味も登場!文化交流の時間
行事の後に横枕公民館で開かれた交流会では、地域の方々の手づくり料理とともに、ボランティアの皆さんが本場のフランスクレープを振る舞い、参加者の間で笑顔が広がりました。
異なる文化が交わることで、自然だけでなく「人と人とのつながり」も深まった一日となりました。
自然、文化、人々のつながり—
横枕という里山の中で培われてきた豊かな暮らしは、国内外の人びとと共にあることで、さらに広がりを見せています。
今後も、伝統を大切にしながら、多様な交流の機会を育んでまいります。 引き続き、地域の取り組みにご注目ください。
2025/4/25 横枕農園で米づくりスタート!
自然と人がつながる、自然共生サイトでの挑戦
2025年4月27日、唐津市相知町横枕の自然共生サイトにある「横枕農園」で、米づくりプロジェクトが始動しました。 この取り組みは、環境への配慮と地域の持続可能な農業を両立させることを目指した、地域とボランティアの協働プロジェクトです。
当日は、フランスから来日中のボランティアの皆さん、そして横枕区の地域住民の方々とともに、苗箱に土を入れる「下泥入れ」作業を行いました。 この作業は、今後の「もみまき」や育苗に向けた重要な準備工程となります。
来週には、苗箱にもみをまき、再び土をかぶせて育苗をスタートさせる予定です。 春のやわらかな日差しのなか、自然とのつながりを感じながらの作業は、参加者にとっても充実したひとときとなりました。
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2025/4/23 自然共生サイト 横枕×駒鳴|里山保全とネイチャーポジティブな一日
地域と企業の連携で描く、持続可能な未来への風景
2025年4月23日、環境省の「自然共生サイト(OECM登録地)」に指定されている佐賀県唐津市相知町横枕地区にて、地域住民やボランティアの皆さまとともに春の環境保全活動を実施しました。
本活動は、地域固有の自然資源を守り育てながら、人と自然が共生する「ネイチャーポジティブ」な社会の実現を目指す取り組みの一環です。
沢の清掃作業|サンショウウオの棲む自然環境を未来へ
横枕地区の山あいには、ブチサンショウウオをはじめとする希少な在来種が今も息づいています。 この日は、生息地である沢沿いの清掃と整備を行い、清らかな水の流れと生態系の維持に取り組みました。
こうした地道な保全活動の積み重ねが、生物多様性の回復につながる“ネイチャーポジティブ”な地域づくりを支えています。
ヤギの力を借りた草地管理|循環型の里山保全に向けて
この日から新たに始まったのが、放牧による草地の維持管理に向けたヤギ小屋の整備作業です。 里山の草地は、人の暮らしと自然の循環の場であり、その管理には手間と時間がかかります。
そこで注目されているのが、動物の力を借りた“自然循環型”の保全モデル。 ヤギによる草地管理は、自然と共生しながら環境負荷を低減できる新たな可能性として期待されています。
伊万里・駒鳴との交流|民間企業と里山保全の未来を学ぶ
午後には、同じく自然共生サイトに認定されている伊万里市の「駒鳴の里山」を視察。 現地で環境保全に取り組む朝日テクノ株式会社の野崎さんから、企業が主体となって地域の自然を守る実践事例についてお話を伺いました。
企業・地域・行政が連携して、生物多様性の保全と持続可能な経済活動の両立を実現する駒鳴の取り組みは、横枕においても大きな学びとヒントとなりました。地域に根ざした活動と、他地域とのつながりから生まれる知見の共有。 それは、人と自然がよりよい関係を築いていくための大切な第一歩です。
唐津市横枕地区では、これからも多様な立場の人々と連携しながら、 自然と共にある未来「ネイチャーポジティブ・エコノミー」の実現を目指して歩みを進めてまいります。 今後とも、温かなご支援とご関心をよろしくお願いいたします。
2025/4/20 自然共生サイト・横枕にて春の環境保全作業を実施
地域と世界がつながる、環境再生の一日
2025年4月20日、唐津市相知町横枕地区の自然共生サイト(環境省OECM登録地)において、地域住民とフランスからのボランティアの皆さんと共に、春の環境保全作業を行いました。 今回の作業では、以下のような多岐にわたる取り組みを実施しました
- 畑の耕起作業(トラクター使用)
- 畦道や農道沿いの草刈り
- 横枕農園でのナスの支柱立て
- 水路の清掃作業
これらの作業を通じて、人の手が入ることで維持される“里山の風景”の大切さを改めて実感しました。
生物多様性の息づく里山で
作業中、山の沢沿いでは貴重な在来種であるアカハライモリを発見。 この地域には、サンショウウオをはじめとする多様な生きものたちが今も息づいており、自然と共にある暮らしが守られていることを体感しました。
こうした生物多様性の保全は、地域にとっても地球規模でも重要なテーマです。
国際協働による新しい風
今回の作業には、ERC(Ecosystem Restoration Communities)を通じて環境保全に関心を持つフランスからのボランティア2名も参加しました。
言葉や文化を越え、共に汗を流し、地域の自然と向き合う時間は、環境と人、人と人をつなぐ貴重な交流の機会となりました。
今後も、自然と共に生きる地域の知恵を未来につなぎ、国内外の仲間とともに持続可能な地域づくりに取り組んでまいります。
2025/4/19 唐津ミツバチプロジェクト2025 始動!
相知町横枕の里山から、自然共生の未来をつなぐ
唐津市相知町横枕地区の自然共生サイト(環境省OECM登録地)を舞台に、今年も「唐津ミツバチプロジェクト」が本格始動しました。
本プロジェクトは、相知町出身の唐津南高等学校の生徒たちが、地域住民とともにニホンミツバチの養蜂に取り組む、環境保全型の地域協働プロジェクトです。
昨年度の試行的な取り組みを経て、2025年は5群のミツバチを丁寧に育て、採蜜から「自然共生サイト・横枕産ハチミツ」の商品化までを目指して活動を進めていきます。
国境を越える“環境保全の輪”
今年度は、新たにフランスから2名のボランティアがプロジェクトに参加。 彼らは、世界各地で生態系再生に取り組む国際コミュニティERC(Ecosystem Restoration Communities)を通じて、横枕の自然保全に関心を寄せ来日しました。
横枕地区にフランスからの参加者を迎えるのは初めてのこととなります。 こうした国際的な協力が、里山に新たな風を吹き込み、自然との共生を目指す私たちの取り組みをより広く、深くする原動力となっています。
観光を超えた“ツーリズム”へ
本プロジェクトでは、単なる訪問や見学にとどまらない、地域の理念や価値観を共有しながら滞在する「ツーリズム(tour-ism)」のあり方を追求しています。
自然との共生、生物多様性の保全、持続可能な地域づくりという理念に基づき、国内外の多様な仲間と連携しながら、未来につながる活動を展開してまいります。
今年も、地域に根ざした“学び”と“実践”の場を通じて、自然と人がともに生きる風景を次世代へとつなげていきます。 引き続き、あたたかいご支援・ご声援をどうぞよろしくお願いいたします。
2025/4/1 令和7年4月1日施行|「生物多様性増進活動促進法」と自然共生サイト・横枕の取り組み
佐賀県初のOECM登録地から広がる、ネイチャーポジティブの輪
2025年4月1日より、「生物多様性増進活動促進法」が施行されました。 この法律は、生物多様性の保全と回復を図る地域の取り組みを国として推進し、ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現を目指すものです。
それに先立ち、私たち唐津Farm&Foodが管理する 佐賀県唐津市相知町・横枕地区は、令和5年後期に環境省から「自然共生サイト」の認定を受けました。 この地域は、県内で初めてOECM(Other Effective Area-Based Conservation Measures)として、国際データベース「Protected Planet」にも登録されています。
認定マークステッカーも到着!
先月には、環境省より自然共生サイト認定を示すステッカーマークも届き、 地域とともに歩んできた保全活動が、国内外から正式に認められたことを改めて実感しています。
今年度の展望|高校・企業との協働で“ネイチャーポジティブ”を推進
令和6年度は、これまで協働を重ねてきた唐津南高校との連携をさらに深めるとともに、 企業との共創にも力を入れ、教育・保全・産業がつながる新しいネイチャーポジティブのかたちを模索してまいります。
新たな自然共生サイトも佐賀県内に誕生!
また、唐津Farm&Foodが昨年度視察させていただいた佐賀県内の以下の地域・団体が、 令和6年度後期に新たな自然共生サイトとして認定されました:
- いまり こまなきの里山(伊万里市) 朝日テクノ株式会社
- たのしい農家 お百笑さんの体感型観光梅園(武雄市) 株式会社お百笑さん
- 鷹匠の里山(武雄市) 株式会社ファルコンウィング
- 嬉野茶生産茶園(嬉野市) グリーンレタープロジェクト
どの地域も、その土地ならではの資源や文化を活かした持続可能な取り組みを展開されており、まさに“地域からのネイチャーポジティブ”を体現しています。
今後は、こうした他の自然共生サイトとも連携しながら、 佐賀県全体で生物多様性の保全と地域再生を推進してまいります。 引き続き、唐津Farm&Foodの取り組みにご注目・ご支援いただければ幸いです。
2025/3/10 ビーツの種まきから始まる、春の畑しごと
一粒ずつ、色と命を大切にまく。横枕農園の春のはじまり
2025年3月10日、唐津市相知町横枕の自然共生サイト・横枕農園にて、今年もビーツの種まきを行いました。
まずは、ふかふかの土づくりから作業を開始。 整えられた畝に、鮮やかな色を育むビーツの種を一粒ずつ丁寧に手まきし、春の畑しごとが本格的にスタートしました。
毎年丁寧に育てているビーツは、地域の交流イベントや食の体験にもつながる大切な作物。 畑にまかれた小さな種が、今年もたくさんの恵みと笑顔を運んでくれることを願っています。
2025/1/29 環境省主催の研修会「ヤゴの住む場所から考える生物多様性」に参加しました
1月26日、NPO法人唐津Farm&Foodは、環境省主催・文部科学省後援の研修会 「ヤゴの住む場所から考える生物多様性 〜ネイチャーポジティブには何が必要か〜」 に参加しました。
今回の研修会の開催地 「こまなきの里山」 は、佐賀県で初めて自然共生サイトに認定された 横枕地区 に隣接するエリアです。この場所は、当法人が自然共生サイト認定の前に視察した場所でもあり、私たちの活動と深く関わる地域です。
唐津Farm&FoodのESDの取り組みと今後の展望
昨年、唐津Farm&Foodは 唐津市で初めて「ESD(持続可能な開発のための教育)」の拠点 に認定されました。これを受け、2024年はさらなる活動の発展を目指し、「虹の松原プロジェクトチーム」を率いる唐津南高校の先生方と協力しながら、生徒たちと共に唐津の生物多様性保全やネイチャーポジティブの取り組みを推進 していきます。
また、今後は 唐津市内での環境教育研修会の開催を目指し、地域との連携を強化しながら、環境教育の普及を進めてまいります。
今後の活動については、随時お知らせいたしますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします!
2025/1/5 横枕の鬼火焚きに参加
1月5日、早朝より横枕地区で行われた伝統行事「鬼火焚き」に参加しました。この行事は江戸時代から続く地域の貴重な文化で、毎年1月、横枕の森林ゾーンから切り出した約300~500kgの薪を使用して行われます(2021年を除く)。薪の香りに包まれながら燃え盛る火を囲むことで、地域の絆を感じる特別なひとときです。
今回、NPO法人唐津Farm&Foodとして参加したこの活動は、地域の自然や文化を守る取り組みの一環として実施しました。横枕地区は、**佐賀県初のOECMエリア(Other Effective Area-Based Conservation Measures)**に認定された場所であり、生物多様性の保全と自然資源の持続可能な利用を目的とした取り組みが地域住民とともに行われています。
また、横枕のような自然と共生する地域文化は、世界が目指す「30by30」の目標達成にも貢献する重要な要素です。私たちNPO法人唐津Farm&Foodも、この素晴らしい文化や自然を次世代に引き継ぐために、活動を続けてまいります。
横枕の豊かな自然資源が、このような伝統文化を支えていることを改めて実感しました。これからも地域の魅力や自然の大切さを発信し、多くの方々と共有していきたいと考えています。