ゴミ拾いとビーチクリーンを、数字で並べる
ビーチクリーンは、海岸に流れ着いたごみや捨てられたごみを、人の手で拾い集める活動です。日本では令和6年度に、海岸漂着物処理推進法に基づく国の補助事業(海岸漂着物等地域対策推進事業)で、都道府県と市町村が全国の海岸から39,551.5tの漂着ごみを回収し、清掃は21,363回、延べ265,404人が参加しました(環境省)。このページは、ゴミ拾いとビーチクリーンにかかわる量・人数・ごみの中身・効果を、国・国際機関・研究の数字で並べたものです。
このページは、NPO法人唐津Farm&FoodがKaratsu Data Bankの一つとして作成しました。当法人は佐賀県唐津市で、海岸のビーチクリーンと、島の学校での環境教育を続けています。結論や評価の言葉は付けず、資料に書かれている数字と文だけを並べています。ページ内の写真は、すべてUnsplashのイメージ写真で、唐津の写真ではありません。当法人自身の活動の記録は、別のページ(データで見る唐津の海ごみ・ビーチクリーン活動)にまとめています。
| 年度 | 全国の回収量 | 清掃回数 | 清掃延べ距離 | 佐賀県 | 長崎県 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和2年度(2020) | 27,740t | 16,083回 | 10,094km | 657t | 2,300t |
| 令和3年度(2021) | 39,007t | 16,101回 | 12,845km | 743t | 2,199t |
| 令和4年度(2022) | 54,266t | 21,965回 | 16,746km | 356t | 2,436t |
| 令和5年度(2023) | 27,554t | 18,956回 | 14,357km | 282t | 2,333t |
| 令和6年度(2024) | 39,551.5t | 21,363回 | 41,902.5km | 425.2t | 2,300.4t |
日本の海岸で回収されている海ごみの量
国は海岸漂着物処理推進法に基づき、都道府県と市町村が行う海ごみの回収・処理と発生抑制の事業に補助しています。この事業で回収された漂着ごみの量は、令和2年度の27,740tから、令和4年度に54,266t、令和5年度に27,554t、令和6年度に39,551.5tと、年によって大きく変わります。平成21年度の回収量は8,671tでした(環境省)。環境省の事業の紹介資料には「年平均3万トン程度を回収」とあります(環境省)。
令和6年度の佐賀県の回収量は425.2tで、294回の清掃で延べ1,011.4kmを清掃しました。漂流ごみ・海底ごみの回収は別に集計されていて、佐賀県は同じ年度に9回・92.0tでした。隣の長崎県は2,300.4tでした(環境省)。
| 順位 | 個数で多いもの(割合) | 重量で多いもの(割合) |
|---|---|---|
| 1 | カキ養殖用まめ管(17.8%) | 木(木材など)(23.2%) |
| 2 | カキ養殖用パイプ(12.6%) | プラスチック製ロープ・ひも(17.9%) |
| 3 | プラスチック製ロープ・ひも(11.5%) | 硬質プラスチック破片(11.1%) |
| 4 | キャップ(11.1%) | 漁網(9.4%) |
| 5 | ペットボトル(1L未満)(7.3%) | 発泡スチロール製フロート・ブイ(8.1%) |
海岸に流れ着くごみの中身(漂着ごみ組成調査)
環境省は毎年、全国の海岸で漂着ごみの種類と量を調べています。令和5年度は39都道府県の76地点で、人工物87,725個・7,852kgを回収しました。プラスチックは個数で93%、重量で72%を占めました。人工物の総回収量(重量)に占める「海域由来」のプラスチックの割合は44%です。個数でもっとも多かったのはカキ養殖用のまめ管(17.8%)、重量でもっとも多かったのは木材など(23.2%)です(環境省)。
令和4年度は39都道府県の78地点で、人工物118,762個・7,801kgでした。プラスチックの割合は個数で93%、重量で67%、人工物の総回収量(重量)に占める海域由来のプラスチックは37%です。対馬暖流の上流にあたる地点では、ペットボトルの表記の言語は韓国語がもっとも多かったと書かれています(環境省)。佐賀県の調査地点は、両年度とも唐津市の幸多里海岸です。地点ごとの数値は資料に載っていません(環境省)。
| 区分 | 人数・規模 | 時点 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 海岸漂着物等地域対策推進事業の参加人数(全国) | 289,902人 | 令和4年度(過去最高) | 環境省 |
| 同 | 253,302人 | 令和5年度 | 環境省 |
| 同 | 265,404人 | 令和6年度 | 環境省 |
| 海ごみゼロウィーク | 全国約1,300か所・60万人以上 | 2024年度(2025年2月時点) | 環境省 |
| スポGOMI | 累計約190,000人・約1,800大会。2024年は約280大会 | 2024年 | 日本財団スポGOMI連盟 |
| スポGOMIワールドカップ | 累計209,489人・264,517kg | 2008年〜2025年12月31日 | 日本財団スポGOMIワールドカップ |
| ピリカ(ごみ拾いの記録アプリ) | 累計4.7億個超・137の国と地域 | 2026年10月28日に確認 | ピリカ |
清掃に参加している人の数
国の補助事業による清掃の参加人数は、令和4年度の289,902人が過去最高で、令和6年度は265,404人でした(環境省)。日本財団と環境省が呼びかける「海ごみゼロウィーク」には、2024年度に全国約1,300か所で60万人以上が参加しました(環境省)。
ごみ拾いを競技にしたスポGOMIは、2024年に約280大会が開かれ、累計の参加者は約190,000人です(日本財団スポGOMI連盟)。拾ったごみを記録するアプリのピリカは、累計4.7億個超、137の国と地域で使われていると公表しています(ピリカ)。
| 実施年 | 参加者 | 回収重量 | 清掃距離 | 回収した品目数 | もっとも多かった品目 | 日本の値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 486,045人 | 3,612,215kg | 16,308マイル | 14,339,832個 | たばこの吸い殻 1,947,483個 | 3,651人・12,475kg |
| 2024年 | 486,706人 | 3,387,301kg | 15,304.3マイル | 17,820,206個 | 食品の包装 1,442,860個 | 4,101人・9,521kg |
| 2025年 | 630,069人 | 3,586,528kg | 15,142マイル | 13,861,048個 | 飲料のペットボトル 1,338,712個 | 4,369人・5,736kg |
世界のビーチクリーン(国際海岸クリーンアップ)
国際海岸クリーンアップ(International Coastal Cleanup、ICC)は、米国の環境団体Ocean Conservancyが1986年から続けている、世界一斉の海岸清掃とごみの記録の取り組みです。2025年は世界で630,069人が参加し、3,586,528kgのごみを回収しました。もっとも多かった品目は飲料のペットボトル(1,338,712個)で、たばこの吸い殻(1,197,920個)、キャップ(885,854個)、飲料の缶(840,046個)が続きます。日本の参加者は4,369人、回収量は5,736kgでした(Ocean Conservancy)。
日本でICCの窓口を務める一般社団法人JEANの報告では、2024年10月〜2025年9月のキャンペーンの登録は236件で、うち195件がICCのデータカードを使ってごみの種類と数を記録しました(JEAN)。環境省の報告書には、JEANのICCの回収重量として、令和4年度237件・31.10t、令和5年度204件・36.56t、令和6年度181件・26.63tが載っています(環境省 表II-9)。
| 研究 | 調べたこと | 書かれている結果 |
|---|---|---|
| Haarr ほか(2024) | ノルウェー・ロフォーテン諸島の3つの浜で、31か月にわたり2週ごとに漂着ごみを調査 | 漂着は平均で1日に100mあたり10個。ごみが浜にとどまる期間の中央値は99日。頻繁に行う小さな清掃は、まれに行う大きな清掃より3〜4倍多くのごみを環境から取り除ける |
| Ryan ほか(2014) | 毎日の清掃と週1回の清掃で回収量を比較 | 毎日の清掃で回収したごみは、週1回の清掃に比べて個数で2.5倍(2.1〜3.4倍)、重量で1.7倍(1.3〜2.3倍) |
| Smith・Markic(2013) | 調査の間隔と、浜のごみの量の見積もりの関係 | 調査の間隔が3日あくだけで存在量を50%少なく見積もり、1か月あくと1桁少なく見積もる |
| Dijkstra(2025) | 南太平洋ヘンダーソン島での全面清掃(2019年)のあと | 年間の蓄積量は1m²あたり284.75gから16.8gに下がったが、1m²あたり53個のごみが残る |
| Zielinski ほか(2019) | ビーチの清掃方法と影響についての文献と、11のビーチ認証の清掃要件を整理 | 利用の多さが違う浜で清掃方法の効率を比べる研究と、機械による清掃の影響を切り分けて調べる研究が必要としている |
| Wyles ほか(2017) | 学生90人をビーチクリーン・磯遊び・散歩に分けて比較 | 3つの活動とも気分と環境に配慮する意図が高まった。ビーチクリーンは「意味がある」との評価がもっとも高く、その環境を回復的だと感じる評価は低かった |
ゴミ拾いの効果を調べた研究
ノルウェーの3つの浜を31か月調べた研究では、ごみは平均で1日に100mあたり10個流れ着き、浜にとどまる期間の中央値は99日でした。同じ研究は、頻繁に行う小さな清掃のほうが、まれに行う大きな清掃より3〜4倍多くのごみを環境から取り除けるとしています(Haarr ほか 2024)。毎日の清掃では、週1回の清掃に比べて個数で2.5倍、重量で1.7倍のごみを回収したという研究もあります(Ryan ほか 2014)。
英国で学生90人を比べた実験では、ビーチクリーン・磯遊び・散歩のどれでも気分と環境に配慮する意図が高まり、ビーチクリーンは「意味がある」との評価がもっとも高い一方、その環境を回復的だと感じる評価は低めでした(Wyles ほか 2017)。
| 項目 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| 対馬の海岸に流れ着くごみの量(推定) | 毎年3万〜4万m³。約7割は韓国や中国など海外由来 | 対馬市 |
| 対馬の海岸線の長さ | 915km | 対馬市 |
| 対馬で回収したごみの内訳(2022年度。ポスターの図の単位はm³) | 木材・角材34%、発泡スチロール33%、ペットボトル・ブイなど22%、漁網・ロープ9% | 対馬市 |
| 対馬市の回収事業の回収重量 | 平成25年度1,757t、令和元年度925t。目標は年10,000m³(重量にして1,100t) | 対馬市一般廃棄物処理基本計画(令和3年3月) |
| 唐津で当法人が主催・共催したビーチクリーンの参加者 | 3,313名(累計・2026年4月時点) | 当法人の活動記録 |
対馬と唐津の海岸
長崎県対馬市は、海岸に流れ着くごみの量を毎年3万〜4万m³と推定し、その約7割は韓国や中国など海外から来たものとしています。2022年度に回収したごみの内訳(ポスターの図の単位はm³)は、木材・角材34%、発泡スチロール33%、ペットボトル・ブイなど22%、漁網・ロープ9%でした(対馬市)。
佐賀県唐津市では、当法人が主催・共催したビーチクリーンに、累計3,313名が参加しています(2026年4月時点、当法人の活動記録)。島の学校と行ったビーチクリーンの記録は、離島の統計にまとめています。
| 取り組み | 書かれていること | 出典 |
|---|---|---|
| Clean Ocean Action(米国ニュージャージー州)の企業向けビーチスイープ | 2025年は企業20社・469人が参加。2026年の申込書では、参加人数に応じて10〜20人1,800ドルから76〜100人7,200ドル | Clean Ocean Action |
| Plastic Whale(オランダ・アムステルダム)の企業向けプラスチックフィッシング | 運河でボートに乗ってプラスチックを拾う。1人54ユーロ(娯楽税込み・付加価値税21%別)、2.5時間(11〜2月は2時間)、8〜350人 | Plastic Whale |
企業が参加するビーチクリーン
海外には、企業の社員研修や社会貢献活動として、清掃を有料のプログラムにしている団体があります。オランダのPlastic Whaleは、アムステルダムの運河でボートに乗ってプラスチックを拾う企業向けのプログラムを、1人54ユーロ(付加価値税別)、2.5時間で提供しています(Plastic Whale)。ホテル・企業向けの事例と料金は、ホテルのサステナビリティのデータにもまとめています。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 日本の海岸では、1年にどれくらいの海ごみが回収されていますか?
国の補助事業(海岸漂着物等地域対策推進事業)で都道府県と市町村が回収した量は、令和6年度に39,551.5tでした。民間団体と環境省の分を加えた全国の合計は39,678tです(環境省、2026年3月の報告書)。
Q2. 佐賀県では、どれくらい回収されていますか?
令和6年度は425.2tで、294回の清掃で延べ1,011.4kmを清掃しました。漂流ごみ・海底ごみの回収は9回・92.0tです(環境省)。
Q3. 海岸のごみで多いものは何ですか?
環境省の令和5年度の漂着ごみ組成調査では、個数でカキ養殖用のまめ管(17.8%)、重量で木材など(23.2%)がもっとも多く、プラスチックは個数の93%、重量の72%でした。
Q4. ゴミ拾いやビーチクリーンに効果はありますか?
研究では、頻繁に行う小さな清掃は、まれに行う大きな清掃より3〜4倍多くのごみを環境から取り除けるとされています(Haarr ほか 2024)。毎日の清掃では、週1回の清掃に比べて個数で2.5倍、重量で1.7倍のごみを回収したという研究もあります(Ryan ほか 2014)。
Q5. 日本でビーチクリーンに参加している人はどれくらいいますか?
国の補助事業の清掃には令和6年度に延べ265,404人が参加しました。海ごみゼロウィークには2024年度に全国約1,300か所で60万人以上が参加しています(環境省)。
Q6. 世界では、どれくらいの人がビーチクリーンをしていますか?
国際海岸クリーンアップ(ICC)には2025年に世界で630,069人が参加し、3,586,528kgを回収しました。日本の参加者は4,369人です(Ocean Conservancy)。
Q7. 唐津のビーチクリーンには参加できますか?
当法人は唐津市の海岸や島でビーチクリーンを行っています。企業・学校・団体での実施のご相談は、お問い合わせフォームまたは info@karatsu-f-f.com からお寄せください。
出典台帳
資料の中で数字が違う箇所
環境省の令和7年度報告書では、令和2年度の全国の回収量が表II-4で27,740t、図II-3で27,750tです。このページは表の値を載せています。同じ報告書の本文には、JEANのICCの令和6年度の回収重量を31.10t・237件とする記述がありますが、表II-9ではこれは令和4年度の値で、令和6年度は26.63t・181件です。このページは表の値を載せています。
このページで扱っていないこと
個々の団体・事業・清掃方法の評価、発表資料のグラフから目で読み取った値(図に数値として書かれている値は載せています)、一次資料で確認できなかった数値は扱っていません。調査地点ごとの漂着ごみの量(環境省の資料に地点別の表がないため)、海の中や海底のごみの量の推計、マイクロプラスチックの量、令和6年度の漂着ごみ組成調査(2026年10月28日時点で公表を確認できなかったため)は扱っていません。
このページのデータの引用・ご相談
このページの数字の引用、企業・学校・団体でのビーチクリーンやワークショップのご相談は、お問い合わせフォーム、またはinfo@karatsu-f-f.comからお寄せください。
このページについて
作成:小嶋宏明(NPO法人唐津Farm&Food 副理事)/お問い合わせ:info@karatsu-f-f.com(お問い合わせフォーム)/公開:2026年10月28日/Markdown版:beach-cleanup-data.mdこのページはAIと一緒に作っています。作り方はこのデータバンクとAIをご覧ください。写真はUnsplashのものを使っています(イメージ)。
関連リンク
▶ Karatsu Data Bank(唐津データバンク)
▶ データで見る唐津の海ごみ・ビーチクリーン活動
▶ プラスチックの統計
▶ 海洋プラスチックのリサイクルの難しさ
▶ 離島の統計
▶ ホテルのサステナビリティのデータ
▶ Beach Cleanups in Numbers (English)