松原を守ってきた高校生が、松の櫛をつくりました
デザインも、成形も、自分たちの手で。生徒発のアップサイクルプロダクト「Re comb」(仮称)
「Re comb」(仮称)は、佐賀県立唐津南高等学校 虹ノ松原プロジェクトチームの生徒がデザインした、松をモチーフにした櫛です。素材は、回収された廃ペットボトルキャップ。デザイン画を描くところから、金型で成形するところまで、生徒のみなさん自身の手で進めてきたプロジェクトです。
唐津の海辺に広がる虹の松原は、日本三大松原のひとつ。虹ノ松原プロジェクトチームは、その松原を守る保全活動や普及啓発を、生徒主体で続けて今年で23年目を迎えるチームです。松にちなんだ櫛をつくる——それは、自分たちが守ってきた景色を、毎日手に取るものに変える試みでもあります。
絵から、かたちへ。金型ができるまで
「細い線は成形できない」——制約のなかでデザインを詰める
生徒が描いたデザインを、実際の櫛にしてくれたのは、金型製作のパートナー株式会社MEISEIです。射出成形には、ものづくりならではの制約があります。細いラインはそのままでは成形できないため、松の模様は凹凸(レリーフ)で表現することに。模様は片面に絞り、櫛の歯の先端まで樹脂がきちんと行き渡るよう、かたちを調整していきました。
「描いたとおりにはつくれない」ことを知り、その制約のなかでデザインを磨いていく。この往復のプロセスそのものが、生徒にとっての学びになりました。2026年7月、金型が完成。試作にも成功し、唐津へ届きました。
櫛の上部には、小さな穴をひとつ空けています。早稲田大学 Precious Plastic Waseda の櫛《COMEL》を参考にした仕様で、バッグにキーホルダーとして付けて持ち歩くこともできます。
2026年8月27日、自分たちの手で成形する
唐津南高校の教室に、射出成形機を持ち込みました
2026年8月27日、唐津南高校の教室に Precious Plastic 唐津の射出成形機を運び込み、虹ノ松原プロジェクトチーム 普及啓発部門の生徒のみなさんと櫛づくりをしました。色別に粉砕したペットボトルキャップを機械に入れ、溶かし、レバーを引いて金型に流し込む。力のいる作業は、みんなで一緒に。
金型を開けると、そこには、溶けるそのときに決まったマーブル模様の櫛。同じ模様は、ふたつとありません。自分たちが描いたデザインが、捨てられるはずだったものから製品になって、手のひらにのる——その瞬間の顔を、ぜひ写真で見てください。
虹の松原から、循環をかたちに
守る活動から、つくる活動へ
虹ノ松原プロジェクトチームと当法人は、早稲田大学との海洋プラスチック・ビーズブレスレットなど、廃プラスチックのアップサイクルにこれまでも一緒に取り組んできました。「Re comb」は、そのなかで初めて、生徒自身のデザインから金型を起こしたプロダクトです。
回収されたペットボトルキャップが、生徒のデザインで櫛になり、地域のなかで使われ、また循環していく。虹の松原を守る活動が「つくる」活動へと広がった、その最初のかたちを、これからも大切に育てていきます。
「Re comb」を手に取る
製品としての「Re comb」(仮称)の仕様は、プロダクトページでご紹介しています。販売に向けた準備も進めています。
関連リンク
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