Karatsu Data Bank

Precious Plastic の数字世界の小さなリサイクル工房と、唐津の活動

灰色の床に並べた、再生プラスチックの六角形のタイル。青・水色・ピンク・紺のマーブル模様で、右下の手がもう1枚を置こうとしている(写真:Precious Plastic、CC BY-SA 4.0)
世界の工房がリサイクルした量1,400トン2024年。回答した184団体の合計(Precious Plastic Impact 2024)
コミュニティマップの登録ワークスペース1,1962026年7月時点(Precious Plastic)
唐津のペットボトルキャップ回収量3,026kg累計・2026年4月時点(NPO法人唐津Farm&Food の実測)

Precious Plastic を、数字で並べる

Precious Plastic は、プラスチックごみを小さな工房で砕き、溶かし、新しい製品にするための機械の設計図や作り方を、オープンソースで無料公開しているプロジェクトです。このページは、世界の Precious Plastic の工房とコミュニティの数字を、Precious Plastic 自身が公表した資料から並べ、あわせて唐津での活動の数字を載せています。2024年の impact report では、回答した184団体が1年間に1,400トンのプラスチックをリサイクルしました。

このページは、NPO法人唐津Farm&FoodがKaratsu Data Bankの一つとして作成しました。結論や評価の言葉は付けず、資料に書かれている数字と文だけを並べています。世界の数字はすべて、Precious Plastic(Precious Plastic Foundation、オランダの非営利団体)と関係団体が出した自己申告の集計で、国や国際機関の統計ではありません。年ごとに答えた団体の数が違うため、年をまたいで増減を比べる表にはしていません。図から読み取った値は使っていません。日本語は英語資料からの当法人訳で、原文が優先されます。

年出来事
2012年Dave Hakkens が、オランダの Design Academy Eindhoven での学業の一環として試作を始める
2013年卒業展で Version 1 を公開
2014年3人が Version 1 の機械を独自に再現
2015年賞金「10K」(通貨の記載なし)を受け、機械の改良を続ける
2016年初めVersion 2 を公開
2017年韓国・コロンビア・ケニア・ドイツ・メキシコ・台湾・スリランカなどで、数百人がリサイクルを始める。年末に Version 3(輸送コンテナの中の工房など)を公開
2018年Famae 賞 30万ユーロを受け、全額を Version 4 の開発に充てる。40〜50人が1年半かけて開発
2020年1月Version 4(Precious Plastic Universe)を公開。スターターキット8種、Pro 機械3種、動画30本以上、シートプレス、事業モデル
2020年初めての impact report
2023年Precious Plastic Foundation を設立(オランダの非営利団体)
2024年団体の資金難をコミュニティに公表
2025年Version 5 の計画を書き、クラウドファンディングを始める
2026年会員制度を始める
Precious Plastic が公表している活動の年表。出典:Precious Plastic の年表(Mission のページ)

Precious Plastic の歩み

Precious Plastic は2012年、Dave Hakkens がオランダの Design Academy Eindhoven での学業の一環として始めました。2013年に Version 1 を公開し、2020年1月の Version 4 では、スターターキット8種、Pro 機械3種、動画30本以上などをまとめて公開しています。2023年に Precious Plastic Foundation を設立し、2024年に団体の資金難をコミュニティに公表、2025年に Version 5 のクラウドファンディング、2026年に会員制度を始めました(Precious Plastic の年表)。

項目値説明
回答した団体の国56か国「地球上の国の約30%」
リサイクルした量1,400トン1年間(表記は「1.400 Tons」)
売上370万米ドル超回答した184団体の合計。最高の団体で50万米ドル、平均は「25k/yr」
雇用530人
ボランティア3,405人
つくった機械1,175台184団体が1年間に製作・販売した台数
2024年の impact report の数字。調査に答えた184団体の集計。「1.400」の「.」は3桁区切りで、トップページは同じ年の量を「1,400,000kg」と書いている。出典:Precious Plastic Impact 2024、トップページ

2024年の impact report

Precious Plastic の2024年の impact report(Impact 2024)では、56か国の団体が回答し、1年間に1,400トンのプラスチックをリサイクルしました。回答した184団体の売上の合計は370万米ドル超、雇用は530人、ボランティアは3,405人、1年間につくって売った機械は1,175台でした。

同じページは、回答した184団体はコミュニティマップに登録された2,014団体の一部で「実際の影響の9%しか表していない」とし、「工房がデータを入れることに頼っているため多くが抜けており、監査する人手もない」「このデータは最も正確なものではない」と書いています。トップページ(トップページ)は2024年の数字として「3,935 people involved」と書いており、これは雇用530人とボランティア3,405人の合計と一致します(当法人計算)。

項目値説明
回答した団体の国107か国「約60%」
リサイクルした量595,400トン表記は「595.400 Tons」、本文は「595-THOUSANDS-TONS」
売上3,600万米ドル超回答した527団体の合計。最高100万米ドル、平均は「80k/yr」
雇用6,441人
ボランティア11,510人
つくった機械1,881台2022年に製作・販売した台数
2022年の数字(2023年版の impact report)。調査に答えた527団体の集計。出典:Precious Plastic Impact 2023

2022年の数字(2023年版の impact report)

2023年版の impact report(Impact 2023)は、2022年の数字として、107か国、リサイクルした量595,400トン、売上3,600万米ドル超、雇用6,441人、ボランティア11,510人、機械1,881台を挙げています。リサイクルした量は「595.400 Tons」と書かれ、本文で「595-THOUSANDS-TONS」と説明されています。同じページは、見ているのは実際の影響の「40〜50%」という見立ても書いています。2020年の調査(約540トン)、2024年の report(1,400トン)とは答えた団体の数も違うため、このページでは同じ表に並べていません。

項目値
1工房あたりのリサイクル量年1,200kg(月100kg)
1工房あたりの人数平均5人(うち3分の1が女性)
30歳未満の人の割合50%超
年間の売上(合計)2,025,323ユーロ(1工房あたり年4,500ユーロ)
立ち上げの投資(合計)495万ユーロ超(1工房あたり1.1万ユーロ)
黒字の工房10%
財務的に持続している工房21%
破砕機を持つ工房79.6%
射出成形機を持つ工房57.1%
押出機を持つ工房50.2%
活動年数5年超6%、2〜5年22%、1〜2年30%、1年未満42%
2020年3月の Global Impact Survey(1,000人超が回答)の数字。出典:One Army(2020年6月28日)

2020年の調査

Precious Plastic は2020年3月に初めての Global Impact Survey を行い、工房、リサイクルをする人、回収をする人、機械をつくる人など1,000人超が答えました(One Army)。記事によると、1工房あたりのリサイクル量は年1,200kg、平均の人数は5人で、工房の10%が黒字、21%が財務的に持続していました。機械では破砕機を持つ工房が79.6%、射出成形機が57.1%、押出機が50.2%で、よく扱う素材は PP(ポリプロピレン)と HDPE(高密度ポリエチレン)でした。

この記事では、リサイクル量が、図の見出しで「376 176 Kg」、本文で「540 000 kgs 超/年」と、2つの値で書かれています。

項目値
ライブラリに載ったプロジェクト250以上
ライブラリのダウンロード287,336
登録ユーザー40,366
登録ワークスペース(コミュニティマップの承認済みピン)1,196
Precious Plastic のオンラインのコミュニティの数字(2026年7月時点)。出典:Precious Plastic(The Precious Plastic Online Community)

オンラインのコミュニティ

Precious Plastic は、機械のつくり方を学ぶ Academy、各地の工房が工夫を載せる Library、工房の場所を示すコミュニティマップなどを、無料のオンラインのコミュニティとして運営しています。2026年7月時点で、登録ユーザーは40,366、ライブラリのダウンロードは287,336、マップの登録ワークスペースは1,196でした(Precious Plastic)。同じページの本文は、2026年6月時点で「約1,200」と書いています。

2020年の応募書類での申告

MIT Solve の Rethink Plastics Challenge への応募書類(MIT Solve、2020年9月2日更新)で、Precious Plastic は、登録された工房350、機械をつくる人約1,000人、マップに登録した人12,000人、フォーラムの登録者80,000人、マーケットプレイス(Bazar)の出品者250、Bazar の2019年の取引額20万ユーロ(手数料5%)と申告しています。2019年の体制は有給スタッフ2人とボランティア約112人でした。

項目一方の記載もう一方の記載
2020年の調査のリサイクル量図の見出し「376 176 Kg」(One Army)本文「540 000 kgs 超/年」(同じ記事)
2022年の回答団体の数527団体(Impact 2023 の本文)526団体(同じページの下部)
リサイクル量の年ごとの値2022年 595,400トン(Impact 2023)2020年 約540トン(One Army)、2024年 1,400トン(Impact 2024)
ワークスペースの数トップページ「1,100 Workspaces」(2024年の impact データに基づくとの注記)Impact 2024 の回答184団体、マップ登録2,014。2026年7月のマップ登録1,196
Precious Plastic の資料の中で、同じ項目の数字が違う箇所(どちらが正しいかは判断していない)。出典:各資料

資料の中で数字が違う箇所

Precious Plastic の資料には、同じ項目で値が違う箇所があります。このページでは、どちらかを正として選ばず、両方を資料の記載どおりに並べています。ワークスペースの数は、調査に答えた団体の数、マップに登録された数、トップページの表示で、それぞれ違います。

項目値時点
ペットボトルキャップの回収量(家庭・学校・海岸から)3,026kg累計・2026年4月時点
プラスチックリサイクル体験の参加者13,482人累計・2026年4月時点
特別仕様の射出成形機を提供した先2か所(広島・宮島の Precious Plastic Miyajima、株式会社日立アカデミー)2026年10月時点
NPO法人唐津Farm&Food の Precious Plastic 唐津の数字。回収量と参加者数は当法人の実測の確定値(累計・2026年4月時点)。出典:当法人

唐津の Precious Plastic

NPO法人唐津Farm&Food は、佐賀県唐津市で Precious Plastic 唐津として、家庭・学校・海岸から回収したペットボトルキャップを原料に製品をつくっています。キャップの洗浄は当法人・ボランティア・福祉施設が行い、細断は借りた裁断機で行い、成形は自作の射出成形機で行い、金型は工場に依頼しています。ペットボトルキャップの回収量は3,026kg、プラスチックリサイクル体験の参加者は13,482人です(いずれも累計・2026年4月時点)。

当法人は、唐津の現場を見て活動の意味を共有した団体に、特別仕様の射出成形機を提供しています。これまでの提供先は、広島・宮島の Precious Plastic Miyajima と、株式会社日立アカデミーの2か所です(Precious Plastic 導入のご相談)。回収とビーチクリーンの数字はデータで見る唐津の海ごみ・ビーチクリーン活動にまとめています。日本の Precious Plastic の情報は Precious Plastic Japan Team(https://preciousplasticjapan.com/)にあります。

よくある質問

Q1. Precious Plastic とは何ですか?

プラスチックごみを小さな工房で砕き、溶かし、新しい製品にするための機械の設計図や作り方を、オープンソースで無料公開しているプロジェクトです。2012年にオランダの Design Academy Eindhoven の学生だった Dave Hakkens が始め、2023年に Precious Plastic Foundation(オランダの非営利団体)を設立しました(Precious Plastic の年表)。

Q2. Precious Plastic の工房は、世界でどれくらいプラスチックをリサイクルしていますか?

2024年の impact report では、回答した184団体が1年間に1,400トンをリサイクルしました。この数字は調査に答えた団体だけの合計で、Precious Plastic 自身が「コミュニティマップに登録された2,014団体のうち、実際の影響の9%しか表していない」「最も正確なデータではない」と書いています。

Q3. Precious Plastic の工房は何か所ありますか?

Precious Plastic のコミュニティマップの登録ワークスペース(承認済みのピン)は、2026年7月時点で1,196です。2024年の impact report は「マップに2,014の登録がある」と書いており、時点と数え方で値が変わります。

Q4. Precious Plastic の工房は収益を上げていますか?

2024年の impact report では、回答した184団体の売上の合計が370万米ドル超、最高の団体で50万米ドルでした。2020年の調査(One Army)では、黒字の工房が10%、財務的に持続している工房が21%でした。いずれも自己申告の集計です。

Q5. 日本や唐津でも Precious Plastic の活動はありますか?

日本の Precious Plastic の情報は Precious Plastic Japan Team(https://preciousplasticjapan.com/)にあります。唐津では NPO法人唐津Farm&Food が Precious Plastic 唐津として、回収したペットボトルキャップから製品をつくっています。ペットボトルキャップの回収量は3,026kg(累計・2026年4月時点)です。

出典台帳

資料発行日付URL取得日
Precious Plastic Mission(活動の年表)Precious Plastic Foundation記載なしhttps://preciousplastic.com/about/mission2026-10-17
Precious Plastic Impact 2024Precious Plastic Foundation記載なしhttps://preciousplastic.com/results/20242026-10-17
Precious Plastic(トップページ)Precious Plastic Foundation記載なしhttps://www.preciousplastic.com/2026-10-17
Precious Plastic Impact 2023(2022年の数字)Precious Plastic Foundation記載なしhttps://preciousplastic.com/impact/20232026-10-17
Discover the Impact Precious Plastic Is Having Around the WorldOne Army2020-06-28https://www.onearmy.earth/news/precious-plastic-impact2026-10-17
The Precious Plastic Online CommunityPrecious Plastic Foundation2026-07 時点https://preciousplastic.com/our-solutions/community-platform2026-10-17
Precious Plastic(Rethink Plastics Challenge の応募書類)MIT Solve2020-09-02 更新https://solve.mit.edu/solutions/156402026-10-17

このページで扱っていないこと

impact report の国別・大陸別のグラフ(画像で、数値が書かれていない)、個々の工房の実績、Precious Plastic Foundation の財務、Version 5 のクラウドファンディングの金額は扱っていません。Precious Plastic の効果や、ほかのリサイクルの方法との比較・評価は扱っていません。唐津の数字は Precious Plastic 唐津の事業に限り、当法人のほかの事業の実績は含めていません。一次資料で確かめられなかった値は載せていません。

このページについて

作成:小嶋宏明(NPO法人唐津Farm&Food 副理事)/お問い合わせ:info@karatsu-f-f.com(お問い合わせフォーム)/公開:2026年10月17日/Markdown版:precious-plastic-data.md

このページはAIと一緒に作っています。作り方はこのデータバンクとAIをご覧ください。

トップの写真:Precious Plastic(Stichting One Army)の Download Kit(V4.1)より。CC BY-SA 4.0。当法人がトリミングして使用しています(トリミングした写真も CC BY-SA 4.0 です)。

関連リンク

▶ Karatsu Data Bank(唐津データバンク)
▶ プラスチックの統計
▶ サーキュラーエコノミーのデータ
▶ データで見る唐津の海ごみ・ビーチクリーン活動
▶ Precious Plastic 導入のご相談(当法人の事業)
▶ Precious Plastic in Numbers (English)