対馬WAVEプロジェクト|海のごみをアートに変える
子どもたちが、海でごみを拾わなくていい未来へ。
WAVE=Waste Art Visualizes Environment(廃棄物のアートが、環境を見えるようにする)。対馬WAVEプロジェクトは、日本有数の海洋プラスチック漂着地・長崎県対馬市を舞台に、浜に流れ着いたプラスチックを回収・処分で終わらせず、アートへ変えていくプロジェクトです。完成した作品は対馬の港に立ち、島を訪れる人々を最初に迎える存在になります。
WAVEの作品は、海が抱えきれなかったものから生まれます。だから私たちは、この材料がいつか見つからなくなる日を、心から待っています。アップサイクルは、その日までの橋。ごみを巡らせ続ける社会ではなく、そもそも海にごみが流れ込まない社会へ——この想いは、私たちが唐津で続けてきたPrecious Plasticの活動と、まっすぐにつながっています。
対馬の浜で|この光景を、子どもたちの原風景にさせない
対馬の浜のなかには、砕けたプラスチックが幾重にも積もり、足を踏み入れるとふかふかと沈む場所があります。きらきらと光るその正体は、波に砕かれたプラスチックのかけらです。この光景を、対馬の子どもたちの「原風景」にさせない——対馬で海と向き合い続ける仲間たちと、私たちが分かち合っている想いです。
周囲約900キロ、日本海の入り口に位置するこの国境の島には、海流に乗って年間およそ3〜4万立方メートルもの海ごみが押し寄せます。多くは海外由来のプラスチックごみ。入り組んだリアス式の海岸は人も重機も近づきにくく、回収できているのは約2割にとどまります。
そして対馬の海は、対馬暖流を通じて唐津の海とつながっています。対馬の問題は、唐津の問題でもある—2020年の設立以来、唐津で海洋プラスチックと向き合ってきた私たちが、2023年から対馬に通い続けているのは、その実感があるからです。ごみを隠すのではなく、ごみの行き先を見せる。浜のプラスチックが美しいものに生まれ変わる道筋を、誰の目にも見えるかたちでつくる——それがWAVEの出発点です。
ごみが作品になるまでの旅|6つの場面
WAVEプロジェクトでは、浜に流れ着いたプラスチックが、こんな旅をします。
① 浜で拾われる(対馬)—市民・企業・行政のビーチクリーンで、漂着プラスチックを回収します。
② きれいになる(対馬)—島内で洗浄し、細かなフレークに加工します。
③ 素材に生まれ変わる(名古屋)—ムツミ工業株式会社のプレス技術で、海洋プラスチック100%のシート建材へ。漂着ごみの色がそのまま、二つとない模様になります。
④ アートになる(福岡)—人形師の手と、現代を見つめる感性が、シートに新しい命を吹き込みます。
⑤ 港に立つ(対馬)—完成した作品は対馬の港へ。海を渡って島に来る人々を、海から生まれたアートが迎えます。
⑥ 物語が広がる(福岡ほか)—大丸福岡天神店をはじめとする都市の空間から、対馬の浜の物語を届けます。
アートの力|博多人形師・中村弘峰氏とともに
アート制作を担うのは、博多人形師・中村弘峰氏(中村人形四代目)。東京藝術大学大学院で彫刻を修めたのち、創業大正6年の「中村人形」を継ぎました。「もしも江戸時代の腕の良い人形師が現代にタイムスリップしてきたら」—その発想から、野球選手の五月人形など、いまを生きる人のための作品を生み出し続けるアーティストです。その目は、つねに現代を見ています。
大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の博多人形制作などでも知られています。
中村氏はすでに対馬を訪れ、漂着の現場に立つところから制作を始めています。
NPO法人唐津Farm&Foodが視察したバリ島のサステナブルホテル「Desa Potato Head」では、ニューヨークのアーティスト・FUTURA2000(フューチュラ)が廃プラスチックから制作した巨大パブリックアートが、世界の注目を集めています。
海洋プラスチックのアートは、いま世界の共通言語になりつつあります。そのなかで、「人形は『人』の祈りを『形』にしたもの」という日本の文法から生まれる作品は、世界のどこにもないものになる—私たちはそう確信しています。
ヤマショウビンから、波絵馬、そしてWAVEへ|物語は続いている
このプロジェクトは、突然始まったものではありません。2022年11月、対馬市と株式会社博多大丸がSDGsに関する包括連携協定を締結。それをきっかけに、私たちは大丸の九州探検隊・対馬市とともに「海ごみアートプロジェクト」を立ち上げ、対馬で回収された海洋プラスチックをタイルに成形し、西部中学校や対馬高校の生徒、市民の皆さんと、対馬の象徴である渡り鳥「ヤマショウビン」のアートを共同制作しました。ごみが、みんなの手で美しいものに変わる——その最初の体験が、すべての原点です。
2025年の大阪・関西万博では、対馬の海を守る神様「おとーしゃ」の物語とともに、対馬で回収されたペットボトルキャップから波絵馬を制作。来場者が海の未来への願いを書き込み、唐津の離島・馬渡島や小川島、加唐島の生徒たちの絵馬も並びました。絵馬がひとつ完成するたびに、会場に拍手が起きました。
2026年、海洋プラスチック100%のシート建材の試作が完成。タイルから絵馬へ、絵馬から港に立つアートへ——物語は、次の章に入ります。
▶ 海ごみアートプロジェクト|ヤマショウビンのタイルアートはこちら
▶ 大阪・関西万博 BLUE OCEAN DOME「波絵馬」の記録はこちら
ともに進める仲間たち
WAVEプロジェクトは、それぞれの持ち場で力を持ち寄る実行委員会のかたちで進んでいます。実行委員長は株式会社博多大丸の箱崎氏。対馬市、長年浜の回収を担ってきた一般社団法人対馬CAPPA、シート成形のムツミ工業株式会社など、流通・行政・地域・製造・アートの仲間が、ひとつの物語を分担しています。
NPO法人唐津Farm&Foodは、プロジェクト全体のディレクションと、Precious Plasticで培ったリサイクルの技術支援、現場のコーディネートを担います。2020年から唐津で積み重ねてきたアップサイクルの実践(累計参加者25,971名・回収プラスチック3,026kg)を、漂着の最前線・対馬で生かします。
この物語に、加わりませんか|協賛のお願い
WAVEプロジェクトは、想いをともにしてくださる企業・団体さまの協賛を募集しています。資金でのご協賛のほか、素材や物資のご提供、技術・加工のご協力、会場・販路のご提供、広報のご協力、ビーチクリーンへのご参加——関わり方は、御社の強みの数だけあります。内容に応じて個別にご相談のうえ、いちばん力を発揮いただける形をご一緒に考えます。
よくあるご質問
Q1. 対馬WAVEプロジェクトとは何ですか?
日本有数の海洋プラスチック漂着地である長崎県対馬市を舞台に、浜に流れ着いたプラスチックを回収・処分で終わらせず、洗浄・細断・シート成形を経て、博多人形師・中村弘峰氏の手でアートへ変えていくプロジェクトです。完成した作品は対馬の港に立ち、島を訪れる人々を迎えます。WAVEはWaste Art Visualizes Environment(廃棄物のアートが、環境を見えるようにする)の頭文字です。
Q2. 協賛するとどのような関わり方ができますか?
資金協賛のほか、素材・物資のご提供、技術・加工のご協力、会場・販路のご提供、広報のご協力、ビーチクリーンへのご参加など、企業・団体さまの強みに応じた多様な関わり方があります。内容に応じて個別にご相談のうえ、最適な形をご提案します。まずは協賛フォームよりお気軽にお問い合わせください。
Q3. 個人でも参加できますか?
はい。対馬で行われるビーチクリーンや、関連イベント・ワークショップには個人の方もご参加いただけます。開催情報は当法人のSNSやウェブサイトでお知らせします。また、海洋プラスチックのアップサイクル体験は唐津のPrecious Plastic唐津でも通年で実施しています。
▶ 対馬と唐津をつなぐ海洋プラスチック問題への取り組み全体はこちら
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